イレウスにて発症し, 腸管悪性リンパ腫が疑われたgranulocytic sarcoma

症例:36歳男性 主訴:腹痛 現病歴:平成11年11月10日より腹痛出現. 近医に受診したが改善せず11月25日日本医科大学付属病院第1外科を受診. 腹部膨満, 腹部X-P上 niveauを認め, イレウスの診断にて緊急入院. 既往歴:27歳椎間板ヘルニア 家族歴:特記事項なし 嗜好:飲酒, 喫煙なし身長168cm, 体重57kg, 意識清明. 体温367℃, 血圧122/80mmHg, 心拍60/min整. 黄疸, 貧血なし, 表在リンパ節触知せず. 胸部異常なし. 腹部, 肝脾腫なし. 神経学的所見:特記事項なし 尿:異常所見なし. 経過:イレウス管挿入にて症状は改善したが, 小腸造影にて...

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Published in:Journal of Nippon Medical School Vol. 67; no. 5; pp. 392 - 395
Main Authors: 杉崎, 祐一, 細根, 勝, 橋本, 網子, 会田, 邦晴, 田近, 賢二
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本医科大学医学会 2000
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Description
Summary:症例:36歳男性 主訴:腹痛 現病歴:平成11年11月10日より腹痛出現. 近医に受診したが改善せず11月25日日本医科大学付属病院第1外科を受診. 腹部膨満, 腹部X-P上 niveauを認め, イレウスの診断にて緊急入院. 既往歴:27歳椎間板ヘルニア 家族歴:特記事項なし 嗜好:飲酒, 喫煙なし身長168cm, 体重57kg, 意識清明. 体温367℃, 血圧122/80mmHg, 心拍60/min整. 黄疸, 貧血なし, 表在リンパ節触知せず. 胸部異常なし. 腹部, 肝脾腫なし. 神経学的所見:特記事項なし 尿:異常所見なし. 経過:イレウス管挿入にて症状は改善したが, 小腸造影にて回腸に3.5cmに渡る狭窄を認めた(図1). 12月20日腹腔鏡下に回盲部より約50cm口側にある病変を確認し, 回腸切除術を施行した. リンパ節の系統的な腫脹は認めなかったが, 局所の小さなリンパ節を同時に摘出した. 手術前データー(12月14日)WBC:9,400/μl(異常細胞なし), RBC:423×104/μl, Hb 12.5g/dl, Ht36.6%, Plt28.6×10/μl, GOT33IU/l, GPT67IU/l, LDH313IU/l, CPK44IU/l, T-Bil0.7mg/dl, T-Chol106mg/dl, BUNl6.5mg/dl, Crea0.8mg/dl, T-P6.2g/dl, Alb3.9g/dl, CRP3.2mg/dl, 電解質:特記事項なし 1. 摘出された回腸の肉眼所見 通過障害を除去することも含めて切除された約13cm長の小腸は, 肛門側の周径5cmに対して口側は7cmと拡張し, そのほぼ中央に全周性低隆起性の腫瘍が認められる. 腫瘍性病変は粘膜から漿膜まで全層性に拡がり, 粘膜の一部にびらんを伴ってはいるものの, 非上皮性の腫瘍が考えられた. 腫瘍は淡黄白調を呈し, 緑色調の所見は確認出来なかった(図2).
ISSN:1345-4676
1347-3409
DOI:10.1272/jnms.67.392