救急外来におけるめまい症例の検討
[はじめに]めまいを主訴に救急外来を受診する人は多い. 救急外来のめまい患者は, 耳鼻咽喉科/神経内科などの一般外来を受診する患者層とは異なり, 内耳由来や脳血管障害を含めた中枢性疾患だけでなく, 心疾患, 血液疾患, 代謝性疾患, 精神科疾患などによるものなどがあり多彩である. めまい症例は原因を特定しにくく, 無治療でも自然軽快するものが少なくない一方で, 放置すれば致死的な疾患も一定の割合で含まれている. 救急外来での診療の現状および危険なめまいの実状を明らかにすることは, 救急医療における意義だけでなく専門診療科による受診患者層の偏りのないめまい患者の全体像を把握するという観点からも有...
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Published in: | Equilibrium Research Vol. 70; no. 1; pp. 30 - 36 |
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Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
2011
日本めまい平衡医学会 |
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Summary: | [はじめに]めまいを主訴に救急外来を受診する人は多い. 救急外来のめまい患者は, 耳鼻咽喉科/神経内科などの一般外来を受診する患者層とは異なり, 内耳由来や脳血管障害を含めた中枢性疾患だけでなく, 心疾患, 血液疾患, 代謝性疾患, 精神科疾患などによるものなどがあり多彩である. めまい症例は原因を特定しにくく, 無治療でも自然軽快するものが少なくない一方で, 放置すれば致死的な疾患も一定の割合で含まれている. 救急外来での診療の現状および危険なめまいの実状を明らかにすることは, 救急医療における意義だけでなく専門診療科による受診患者層の偏りのないめまい患者の全体像を把握するという観点からも有用であると考える. 今回我々は, 1年間に当院の救急外来を受診しためまい患者の病状, 病因, 検査所見等について検討を行い, さらに危険なめまいの内容とその割合を調べたので報告する. [対象]2008年4月1日から2009年3月31日までに神戸市立医療センター中央市民病院救急外来を受診した39030人のうち, 主訴に「めまい」あるいは「ふらつき」を含む患者, あるいは問診表のめまい・ふらつき項目に丸をつけた患者650人(全体の1.7%)を対象とした. |
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ISSN: | 0385-5716 1882-577X |
DOI: | 10.3757/jser.70.30 |