重症僧帽弁閉鎖不全症を合併した副腎褐色細胞腫摘出術の麻酔経験

73歳,男性.重症僧帽弁閉鎖不全症(僧帽弁逆流症)を合併したアドレナリン優位型褐色細胞腫に対し,腹腔鏡下右副腎摘出術を施行した.麻酔導入後,PreSep oximetry catheterTMとFloTracTMを用いて,心係数と中心静脈酸素飽和度(ScvO2)の測定を開始した.腫瘍周囲の手術操作の間,血圧と全身血管抵抗(SVRI)が急激に上昇したために,フェントラミンを投与した.腫瘍摘出後,血圧と心係数を維持するためにドブタミンを使用した.これらのモニターを指標にした循環管理を行うことで,僧帽弁閉鎖不全症を合併した褐色細胞腫の麻酔を安全に行うことができた....

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Published in:日本臨床麻酔学会誌 Vol. 33; no. 5; pp. 815 - 819
Main Authors: 田村, 貴彦, 矢田部, 智昭, 山下, 幸一, 横山, 正尚
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本臨床麻酔学会 2013
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Description
Summary:73歳,男性.重症僧帽弁閉鎖不全症(僧帽弁逆流症)を合併したアドレナリン優位型褐色細胞腫に対し,腹腔鏡下右副腎摘出術を施行した.麻酔導入後,PreSep oximetry catheterTMとFloTracTMを用いて,心係数と中心静脈酸素飽和度(ScvO2)の測定を開始した.腫瘍周囲の手術操作の間,血圧と全身血管抵抗(SVRI)が急激に上昇したために,フェントラミンを投与した.腫瘍摘出後,血圧と心係数を維持するためにドブタミンを使用した.これらのモニターを指標にした循環管理を行うことで,僧帽弁閉鎖不全症を合併した褐色細胞腫の麻酔を安全に行うことができた.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.33.815