同時に三種類の rebound nystagmus を認めた Arnold-Chiari I 型奇形例
「はじめに」 Arnold-Chiari I型奇形(以下, A-C type I)は, 同奇形の中でも小脳扁桃下垂が認められる一方で延髄偏移は認められないtypeである. 主な症状としては, 後頭部痛・後頸部痛などが最も多いが, 症例の約半数(49%)にふらつき症状がみられ, その他, めまい(18%), 眼振(15%), 難聴(15%)など前庭蝸牛症状を伴う例もしばしば認められることから, めまい診療の場においても鑑別診断の一つとして常に念頭に置くべき病態の一つである. 一方, rebound nystagmus (以下, RN)は, 側方視(又は上下方視)眼位をある一定時間(20秒位)保持...
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Published in: | Equilibrium Research Vol. 77; no. 3; pp. 143 - 151 |
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Main Authors: | , |
Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
30-06-2018
日本めまい平衡医学会 |
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Summary: | 「はじめに」 Arnold-Chiari I型奇形(以下, A-C type I)は, 同奇形の中でも小脳扁桃下垂が認められる一方で延髄偏移は認められないtypeである. 主な症状としては, 後頭部痛・後頸部痛などが最も多いが, 症例の約半数(49%)にふらつき症状がみられ, その他, めまい(18%), 眼振(15%), 難聴(15%)など前庭蝸牛症状を伴う例もしばしば認められることから, めまい診療の場においても鑑別診断の一つとして常に念頭に置くべき病態の一つである. 一方, rebound nystagmus (以下, RN)は, 側方視(又は上下方視)眼位をある一定時間(20秒位)保持した後に眼位を正中に戻した際に認められる眼振で, その緩徐相は, 直前の側方視(又は上下方視)側とされる. 従って, RNは, 明所(注視下)で観察される注視眼振とは急速相が逆向きの眼振と理解されることが多い. しかしながら, Zeeらは, RNは, 健常者でも暗所で認められ, また, 症例によって明所(注視下)・暗所(非注視下)ともに認められることなどを報告した. |
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ISSN: | 0385-5716 1882-577X |
DOI: | 10.3757/jser.77.143 |