ロボットスーツHAL®福祉用を用いた歩行練習の効果:慢性不全脊髄損傷者に対する症例研究

〔目的〕慢性頸髄損傷不全麻痺の症例に対し,ロボットスーツHAL®福祉用(以下,HAL)での歩行練習の変化を明らかにすること.〔対象と方法〕症例は四肢麻痺を有する60代男性,HALでの5回の歩行練習にて運用面と歩行能力の変化を検証した.フィッティング調節,アシスト設定,目標設定,自主練習指導を行いつつ段階的なHALでの歩行練習が安全に実施できた.〔結果〕初回HAL装着前と5回目装着後は,0.46から0.76 m/secと歩行速度が増加,32.0から50.0 cmへと歩幅増加が認められた.視覚評価では遊脚時の下肢振出し改善,立脚期の右下肢の荷重時間の延長なども認められた.〔結語〕HALでの5回の歩...

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Published in:理学療法科学 Vol. 29; no. 1; pp. 151 - 156
Main Authors: 長谷川, 真人, 山海, 嘉之
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 理学療法科学学会 2014
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Description
Summary:〔目的〕慢性頸髄損傷不全麻痺の症例に対し,ロボットスーツHAL®福祉用(以下,HAL)での歩行練習の変化を明らかにすること.〔対象と方法〕症例は四肢麻痺を有する60代男性,HALでの5回の歩行練習にて運用面と歩行能力の変化を検証した.フィッティング調節,アシスト設定,目標設定,自主練習指導を行いつつ段階的なHALでの歩行練習が安全に実施できた.〔結果〕初回HAL装着前と5回目装着後は,0.46から0.76 m/secと歩行速度が増加,32.0から50.0 cmへと歩幅増加が認められた.視覚評価では遊脚時の下肢振出し改善,立脚期の右下肢の荷重時間の延長なども認められた.〔結語〕HALでの5回の歩行練習で,漸増的な歩行能力の向上が認められ,より効果的な神経リハビリテーションの可能性が示唆された.
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.29.151