持続性知覚性姿勢誘発めまい (Persistent Postural-Perceptual Dizziness:PPPD) の診断基準 (Barany Society: J Vestib Res 27: 191-208, 2017)
「はじめに」持続性知覚性姿勢誘発めまいは, 2017年にBarany SocietyがPersistent Postural-Perceptual Dizziness (PPPD)としてその診断基準を策定した疾患の日本語名である. 本診断基準は, Journal of Vestibular Research誌に掲載されたBarany Societyの診断基準の和訳である. PPPDの主たる前庭症状は浮動感, 不安定感, 非回転性めまいであり, 症状は3か月以上続く. 前庭症状は(1)立位, (2)能動あるいは受動運動, (3)動くものや複雑な視覚パターンなどの視覚刺激により増悪する. PPPD...
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Published in: | Equilibrium Research Vol. 78; no. 3; pp. 228 - 229 |
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Main Authors: | , , , , , , , , , , , , |
Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
30-06-2019
日本めまい平衡医学会 |
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Summary: | 「はじめに」持続性知覚性姿勢誘発めまいは, 2017年にBarany SocietyがPersistent Postural-Perceptual Dizziness (PPPD)としてその診断基準を策定した疾患の日本語名である. 本診断基準は, Journal of Vestibular Research誌に掲載されたBarany Societyの診断基準の和訳である. PPPDの主たる前庭症状は浮動感, 不安定感, 非回転性めまいであり, 症状は3か月以上続く. 前庭症状は(1)立位, (2)能動あるいは受動運動, (3)動くものや複雑な視覚パターンなどの視覚刺激により増悪する. PPPDには多くの場合, めまいの原因となる前庭疾患, 精神疾患, 内科疾患が先行し, それらが軽快したのちにも上記の前庭症状が持続する. PPPDは単独で存在する場合も, 他の前庭疾患と併存する場合もある. 現時点で, PPPDを診断する特異的な検査はない. PPPDの病態は明らかではないが, 姿勢制御, 空間識, 情動に関わる感覚処理の異常が原因である機能性疾患と考えられており, 純然たる器質性あるいは精神疾患ではない. |
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ISSN: | 0385-5716 1882-577X |
DOI: | 10.3757/jser.78.228 |