反回神経麻痺を伴った右鎖骨下動脈瘤に対してハイブリッド治療を施行し,遠隔期に症状消失が得られた1例

反回神経麻痺を伴う右鎖骨下動脈瘤は稀である.症例は67歳男性.嗄声の精査で右反回神経麻痺とCTで右鎖骨下動脈瘤を認めた.瘤は複雑な蛇行を伴っておりステントグラフトによるカバーやpacking法は困難で,直達手術では反回神経損傷が危惧されたため,ステントグラフトとバイパスを併施するハイブリッド手術(isolation法)を選択した.Propaten 7 mmで右総頸動脈から右鎖骨下動脈へのバイパスを施行し,腕頭動脈から右総頸動脈へのステントグラフト留置(Viabahn VBX 7×39 mm),右鎖骨下動脈瘤末梢のコイル塞栓術(Target 10 mm–40 cmとInterlock 8 mm–...

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Published in:日本血管外科学会雑誌 Vol. 33; no. 1; pp. 37 - 40
Main Authors: 桒田, 憲明, 柚木, 靖弘, 金岡, 祐司, 田淵, 篤, 渡部, 芳子, 田村, 太志
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 17-02-2024
日本血管外科学会
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Summary:反回神経麻痺を伴う右鎖骨下動脈瘤は稀である.症例は67歳男性.嗄声の精査で右反回神経麻痺とCTで右鎖骨下動脈瘤を認めた.瘤は複雑な蛇行を伴っておりステントグラフトによるカバーやpacking法は困難で,直達手術では反回神経損傷が危惧されたため,ステントグラフトとバイパスを併施するハイブリッド手術(isolation法)を選択した.Propaten 7 mmで右総頸動脈から右鎖骨下動脈へのバイパスを施行し,腕頭動脈から右総頸動脈へのステントグラフト留置(Viabahn VBX 7×39 mm),右鎖骨下動脈瘤末梢のコイル塞栓術(Target 10 mm–40 cmとInterlock 8 mm–20 cm)を施行した.術後6カ月目に瘤の縮小に伴い嗄声の消失が得られた.嗄声や動脈瘤の拡大,バイパス閉塞などなく経過している.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.23-00069