内頚動脈閉塞後17年目に発生し破裂した真の後交通動脈瘤の1例

真の後交通動脈瘤(true posterior communicating artery aneurysm: true PcomA aneurysm)の発生頻度は比較的稀とされている.今回我々は,内頚動脈閉塞後17年の経過で徐々に増大し,破裂した真の後交通動脈瘤の1例を経験した.症例は,73歳女性で,受診6日前に嘔吐で発症し,血管攣縮による運動性失語の増悪で受診した.脳血管撮影で,左後交通動脈に真の動脈瘤が認められた.発症6日後であり,血管攣縮も認められたため,コイル塞栓術を行った.結果的にはPcomAの一部が閉塞したが,前方循環からの灌流により明らかな脳梗塞が認められなかった.内頚動脈閉塞後...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in:脳卒中 Vol. 44; no. 5; pp. 524 - 529
Main Authors: 佐原, 和真, 松下, 展久, 佐藤, 裕一, 鈴江, 淳彦, 蔭山, 彩人, 羽星, 辰哉, 泉谷, 智彦
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 一般社団法人 日本脳卒中学会 2022
日本脳卒中学会
Subjects:
Online Access:Get full text
Tags: Add Tag
No Tags, Be the first to tag this record!
Description
Summary:真の後交通動脈瘤(true posterior communicating artery aneurysm: true PcomA aneurysm)の発生頻度は比較的稀とされている.今回我々は,内頚動脈閉塞後17年の経過で徐々に増大し,破裂した真の後交通動脈瘤の1例を経験した.症例は,73歳女性で,受診6日前に嘔吐で発症し,血管攣縮による運動性失語の増悪で受診した.脳血管撮影で,左後交通動脈に真の動脈瘤が認められた.発症6日後であり,血管攣縮も認められたため,コイル塞栓術を行った.結果的にはPcomAの一部が閉塞したが,前方循環からの灌流により明らかな脳梗塞が認められなかった.内頚動脈閉塞後に真の後交通動脈瘤が発生する報告はいくつかあり,内頚動脈閉塞例では長期にわたってフォローアップが必要であると考えられる.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.10998