理学療法士によるめまい平衡リハビリテーション―まほろば式
「はじめに」日常臨床において, メニエール病, めまいを伴う突発性難聴 ,前庭神経炎など一側の前庭機能が廃絶する様々な疾患をよく経験する. これらの疾患で末梢前庭が高度に障害されると再生することはないが, 中枢前庭代償と呼ばれる中枢前庭神経系の可塑性が働き体平衡のバランスが再獲得されることが知られている. また高齢者では前庭機能が廃絶, 低下すると, この前庭代償がうまく進まずふらつきが継続することが多い. その結果として長期臥床, 認知症, 廃用症候群へとつながることがあり, 介護の必要性や増大する医療費など高齢者やその家族にとって大きな問題となっている. 高齢者でなくともひとたび前庭障害が...
Saved in:
Published in: | Equilibrium Research Vol. 77; no. 6; pp. 549 - 556 |
---|---|
Main Authors: | , , , , , |
Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
31-12-2018
日本めまい平衡医学会 |
Online Access: | Get full text |
Tags: |
Add Tag
No Tags, Be the first to tag this record!
|
Summary: | 「はじめに」日常臨床において, メニエール病, めまいを伴う突発性難聴 ,前庭神経炎など一側の前庭機能が廃絶する様々な疾患をよく経験する. これらの疾患で末梢前庭が高度に障害されると再生することはないが, 中枢前庭代償と呼ばれる中枢前庭神経系の可塑性が働き体平衡のバランスが再獲得されることが知られている. また高齢者では前庭機能が廃絶, 低下すると, この前庭代償がうまく進まずふらつきが継続することが多い. その結果として長期臥床, 認知症, 廃用症候群へとつながることがあり, 介護の必要性や増大する医療費など高齢者やその家族にとって大きな問題となっている. 高齢者でなくともひとたび前庭障害が起こると前庭代償が進んでも100%は回復せず, VOR(vestibule-ocular reflex:前庭動眼反射)やVSR(vestibule-spinal reflex:前庭脊髄反射)の障害が残り, 平衡障害が持続することが多い. |
---|---|
ISSN: | 0385-5716 1882-577X |
DOI: | 10.3757/jser.77.549 |