術後感染症に対するCeftazidimeとCefotiamの二重盲検比較試験
術後感染症に対するCeftazidime (CAZ) の有効性, 安全性ならびに有用性を客観的に評価するため, Cefotiam (CTM) を対照薬とし, 両薬剤1日29点滴静注投与による二重盲検比較試験を行ない以下の成績を得た。 1. 総合臨床効果は, 術後創感染症例 (以下A層) では, CAZ群85.7%(54/63), CTM群76.8%(43/56), 術後腹腔内感染および死腔感染症例 (以下B層) ではCAZ群66.1%(37/56), CTM群64.2%(34/53) の有効率を示し, 両層とも両薬剤群間に有意の差は認められなかった。 2. 全般的改善度 (最終) では, A層...
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Published in: | CHEMOTHERAPY Vol. 32; no. 9; pp. 647 - 679 |
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Main Author: | |
Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
公益社団法人 日本化学療法学会
1984
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Summary: | 術後感染症に対するCeftazidime (CAZ) の有効性, 安全性ならびに有用性を客観的に評価するため, Cefotiam (CTM) を対照薬とし, 両薬剤1日29点滴静注投与による二重盲検比較試験を行ない以下の成績を得た。 1. 総合臨床効果は, 術後創感染症例 (以下A層) では, CAZ群85.7%(54/63), CTM群76.8%(43/56), 術後腹腔内感染および死腔感染症例 (以下B層) ではCAZ群66.1%(37/56), CTM群64.2%(34/53) の有効率を示し, 両層とも両薬剤群間に有意の差は認められなかった。 2. 全般的改善度 (最終) では, A層でCAZ群79.4%(50/63), CTM群58.9%(33/56), B層でCAZ群78.6%(44/56), CTM群56.6%(30/53) の改善率を示し, A層ではX2検定およびU検定で, B層ではX2検定でCAZ群が有意に高い改善率を示した。 3. 細菌学的効果は, 症例別の菌消失率ではA層, B層ともに両薬剤群間で有意の差はみらなかった。菌種別の菌消失率ではA層でCAZ群96.1%(49/51), CTM群79.4%(50163) でありCAZ群で有意に高い菌消失率を示したが, B層では両薬剤群間に有意の差が認められなかった。 4. 副作用ならびに臨床検査値異常は, CAZ群141例中3例 (2.1%) および5例 (3S.5%), CTM群126例中3例 (2.4%) および6例 (4.8%) にみられたが, その種類, 頻度ともに両薬剤群間に有意の差はみられなかった。 5. 有用性判定では両薬剤群間の有用率にA層, B層ともに有意の差は認められなかった。 以上の成績からCAZはCTMと同様に術後感染症の治療薬として有用性の高い薬剤であると考えられた。 |
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ISSN: | 0009-3165 1884-5894 |
DOI: | 10.11250/chemotherapy1953.32.647 |