土壌中の有機化学物質の作物による吸収・移行性における種間差異

16種の植物種で12種の異なる有機化学物質の土壌からの作物吸収・移行性に関する実験を行い,吸収・移行性の種差を決定した.その結果,それぞれの有機化学物質の根部中濃度および茎葉部中濃度には2–10倍程度の植物種間差がみられた.また,根部濃度因子は概ねlog KOWの増加に従い指数関数的に増加しており,このように化合物の根部濃度因子の値はlog KOWと関連付けられたため,ある程度根部濃度を予測することが可能であるかもしてない.茎葉部濃度に関しては,茎葉部-根部濃度比はlog KOWの増加に従い減少したが,茎葉部濃度因子とlog KOWとの間には明確な関係は認められず,植物種間で変動した....

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Published in:Journal of Pesticide Science Vol. 43; no. 2; pp. 96 - 107
Main Authors: 並木, 小百合, 大谷, 卓, 元木, 裕, 清家, 伸康, 岩船, 敬
Format: Journal Article
Language:English
Japanese
Published: Tokyo 日本農薬学会 17-05-2018
Japan Science and Technology Agency
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Description
Summary:16種の植物種で12種の異なる有機化学物質の土壌からの作物吸収・移行性に関する実験を行い,吸収・移行性の種差を決定した.その結果,それぞれの有機化学物質の根部中濃度および茎葉部中濃度には2–10倍程度の植物種間差がみられた.また,根部濃度因子は概ねlog KOWの増加に従い指数関数的に増加しており,このように化合物の根部濃度因子の値はlog KOWと関連付けられたため,ある程度根部濃度を予測することが可能であるかもしてない.茎葉部濃度に関しては,茎葉部-根部濃度比はlog KOWの増加に従い減少したが,茎葉部濃度因子とlog KOWとの間には明確な関係は認められず,植物種間で変動した.
ISSN:1348-589X
1349-0923
DOI:10.1584/jpestics.D17-088