地震とめまい —東日本大震災直後2週間の東京でのアンケート調査とその分析

「緒言」2011年3月11日の東日本大震災(以後, 大地震)はマグニチュード9.0と強大であり, この東京でも震度は6強であり, 余震は1ケ月をすぎても収まらない. 筆者も含めて, めまいに罹患したことのない健常者でも, 大地震後に閉所空間にての体動時などに「地震だ!」と錯覚する機会も時に経験するという様になった. 当めまいクリニックでも, 大地震後の症状の変調を口にするめまい患者が増えている印象を強く持った. そこで, 大地震直後として2週間(2011年3月24日まで)を区切って, アンケート調査を行い, 同時に患者背景および平衡機能の評価をおこなった. 「方法」まず地震直後から2週間の間に...

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Published in:Equilibrium Research Vol. 71; no. 6; pp. 456 - 465
Main Authors: 二木, 隆, 深谷, 卓
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 一般社団法人 日本めまい平衡医学会 2012
日本めまい平衡医学会
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Summary:「緒言」2011年3月11日の東日本大震災(以後, 大地震)はマグニチュード9.0と強大であり, この東京でも震度は6強であり, 余震は1ケ月をすぎても収まらない. 筆者も含めて, めまいに罹患したことのない健常者でも, 大地震後に閉所空間にての体動時などに「地震だ!」と錯覚する機会も時に経験するという様になった. 当めまいクリニックでも, 大地震後の症状の変調を口にするめまい患者が増えている印象を強く持った. そこで, 大地震直後として2週間(2011年3月24日まで)を区切って, アンケート調査を行い, 同時に患者背景および平衡機能の評価をおこなった. 「方法」まず地震直後から2週間の間にめまいで通院中の患者さんを対象にアンケートを窓口で渡し記入を依頼した. そのアンケートは別枠(表1)に示す如く, 最小限度の量とした. ついで, めまいを主訴とする新患数の増減を震災前後2週間と区切って調べ, 回答者のカルテより患者背景をまとめた.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.71.456