拘縮肩患者における上肢挙上運動と脊柱彎曲角との関係 肩関節可動域訓練前後の比較

〔目的〕本研究では,肩関節可動性が上肢挙上時の脊柱彎曲角に与える影響について分析するために,拘縮肩における上肢挙上運動と脊柱彎曲角との関係を肩関節可動域訓練前後で比較検討した。〔対象と方法〕拘縮肩患者15例(男性10例,女性5例)15肩を対象に,可動域訓練前後における,上肢下垂位,90°,120°挙上位の胸椎後彎角と腰椎前彎角を計測し,各挙上肢位で比較した。〔結果〕可動域訓練前における上肢挙上時の胸椎後彎角は,90°挙上位より有意な減少を示し,腰椎前彎角は120°挙上位で有意な増加を示した。一方,可動域訓練後における胸椎後彎角は,120°挙上位で有意な減少を示し,腰椎前彎は各挙上位間で有意差は...

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Published in:理学療法科学 Vol. 25; no. 4; pp. 595 - 598
Main Authors: 甲斐, 義浩, 村田, 伸, 中江, 祐輔, 平沼, 成一
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 理学療法科学学会 2010
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Description
Summary:〔目的〕本研究では,肩関節可動性が上肢挙上時の脊柱彎曲角に与える影響について分析するために,拘縮肩における上肢挙上運動と脊柱彎曲角との関係を肩関節可動域訓練前後で比較検討した。〔対象と方法〕拘縮肩患者15例(男性10例,女性5例)15肩を対象に,可動域訓練前後における,上肢下垂位,90°,120°挙上位の胸椎後彎角と腰椎前彎角を計測し,各挙上肢位で比較した。〔結果〕可動域訓練前における上肢挙上時の胸椎後彎角は,90°挙上位より有意な減少を示し,腰椎前彎角は120°挙上位で有意な増加を示した。一方,可動域訓練後における胸椎後彎角は,120°挙上位で有意な減少を示し,腰椎前彎は各挙上位間で有意差は認められなかった。〔結語〕拘縮肩においては,90°挙上位より非生理的な脊柱伸展運動が起こること,過度な脊柱伸展運動は拘縮肩の結果として作用するものであり,上肢挙上に伴う胸腰椎の相互作用は肩関節の可動性に依存することが示された。
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.25.595