糖尿病教育入院を契機に発見された無症候性心筋虚血の一例

症例は51歳の女性.33歳より高血糖を指摘され, 47歳よりインスリン療法が導入された.その後も高血糖が持続し, 1998年8月血糖コントロール目的で当科に教育入院となった.入院時のHbAlcは10.8%.高血圧, 高脂血症を合併し, 心筋梗塞の家族歴を有した.単純網膜症, 早期腎症, 神経障害を認めた.日常生活では胸痛発作を自覚しなかったが, 虚血性心疾患の精査のため運動負荷心電図を施行したところ, 虚血性変化を認めた.その後の冠動脈造影検査にて3枝病変を認め, 責任病変に対し経皮的冠動脈形成術 (PTCA) を施行した.1995年から1998年までの糖尿病教育入院患者272名中, 本例を含...

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Published in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 50; no. 3; pp. 309 - 312
Main Authors: 大石, 由美子, 宇都木, 敏浩, 大山, 良雄, 内山, 強, 伊藤, 弘麿, 櫻井, 繁樹, 長谷川, 昭, 伴野, 祥一, 倉林, 正彦
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 北関東医学会 2000
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Description
Summary:症例は51歳の女性.33歳より高血糖を指摘され, 47歳よりインスリン療法が導入された.その後も高血糖が持続し, 1998年8月血糖コントロール目的で当科に教育入院となった.入院時のHbAlcは10.8%.高血圧, 高脂血症を合併し, 心筋梗塞の家族歴を有した.単純網膜症, 早期腎症, 神経障害を認めた.日常生活では胸痛発作を自覚しなかったが, 虚血性心疾患の精査のため運動負荷心電図を施行したところ, 虚血性変化を認めた.その後の冠動脈造影検査にて3枝病変を認め, 責任病変に対し経皮的冠動脈形成術 (PTCA) を施行した.1995年から1998年までの糖尿病教育入院患者272名中, 本例を含め4例に無症候性心筋虚血を認めた.いずれも罹病期間が10年以上と長く, 糖尿病網膜症, 神経障害を合併し, 複数の冠危険因子を有していた.このような症例には無症候性心筋虚血を疑い, 運動負荷心電図検査等を行うことが重要である.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.50.309