慢性気道感染症に対する7432-S (Ceftibuten) とCgfaclorとの二重盲検比較試験

慢性気道感染症に対するセフェム系経口抗生物質7432-S (ceftibuten) とcefaclor (CCL) の有効性, 安全性および有用性について二重盲検法により比較検討を行った。7432-Sは1日400mg, CCLは1日1500mgを14日間投与し, 次の結果を得た。 1) 総投与症例数は170例 (7432-S群85例, CCL群85例) であり, 小委員会判定により有効性評価対象として採用された症例数は145例 (7432-S群71例, CCL群74) であった。両薬剤群の除外・脱落率および患者背景因子の分布に有意な偏りは認められなかった。 2) 小委員会判定による有効率は74...

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Published in:CHEMOTHERAPY Vol. 37; no. Supplement1; pp. 619 - 643
Main Author: 那須, 勝他
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 公益社団法人 日本化学療法学会 1989
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Description
Summary:慢性気道感染症に対するセフェム系経口抗生物質7432-S (ceftibuten) とcefaclor (CCL) の有効性, 安全性および有用性について二重盲検法により比較検討を行った。7432-Sは1日400mg, CCLは1日1500mgを14日間投与し, 次の結果を得た。 1) 総投与症例数は170例 (7432-S群85例, CCL群85例) であり, 小委員会判定により有効性評価対象として採用された症例数は145例 (7432-S群71例, CCL群74) であった。両薬剤群の除外・脱落率および患者背景因子の分布に有意な偏りは認められなかった。 2) 小委員会判定による有効率は7432-S群71.8%, CCL群71.6%であり, 両群間に有意差は認められなかった。また, 主治医判定による有効率も両群間に有意差は認められなかった。小委員会による細菌学的効果では7432-S群の菌消失率は76.9%(30/39株), CCL群64.7%(22/34株) であったが, 両群間に有意差は認められなかった。 3) 副作用発現率は7432-S群7.2%, CCL群8.4%であり, 臨床試験値異常の発現率は7432-S群8.9%, CCL群13.3%で両群間に有意差は認められなかった。 4) 小委員会判定による有用率は, 7432-S群67.1%, CCL群68.0%であり, 両群間に有意差は認められなかった。また, 主治医判定による有用性でも両群間に有意差は認められなかった。 以上の成績から, 慢性気道感染症の治療において, 7432-Sの1日400mg (分2) 投与はCCLの1日1500mg (分3) 投与と同様に有用な薬剤であることが確認された。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.37.Supplement1_619