産婦人科領域における7432-Sの基礎的・臨床的研究

新しい経口用セフェム系抗生物質, 7432-Sについて, 産婦人科的領域で組織移行性および産婦人科的感染症に対する臨床的効果, 細菌学的効果, 副作用等を検討することを目的とした。 方法: 組織内濃度はEscheriehia coli 7437を検定菌とするBand culture法により測定した。臨床試験は産婦人科的感染症を対象として治療を行ない検討した。 成績1本剤1回100mg経口投与後の肘静脈血及び子宮動脈血の血清中濃度はほぼ一致し, 2時間48分でピーク値3.1μg/mlが得られ, 子宮各部位及び付属器の組織内濃度は1.1~2.6μg/gが認められ, その対血清比は38.7~54.8...

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Published in:CHEMOTHERAPY Vol. 37; no. Supplement1; pp. 570 - 578
Main Authors: 張, 南薫, 福永, 完吾, 国井, 勝昭, 木村, 武彦
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 公益社団法人 日本化学療法学会 1989
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Description
Summary:新しい経口用セフェム系抗生物質, 7432-Sについて, 産婦人科的領域で組織移行性および産婦人科的感染症に対する臨床的効果, 細菌学的効果, 副作用等を検討することを目的とした。 方法: 組織内濃度はEscheriehia coli 7437を検定菌とするBand culture法により測定した。臨床試験は産婦人科的感染症を対象として治療を行ない検討した。 成績1本剤1回100mg経口投与後の肘静脈血及び子宮動脈血の血清中濃度はほぼ一致し, 2時間48分でピーク値3.1μg/mlが得られ, 子宮各部位及び付属器の組織内濃度は1.1~2.6μg/gが認められ, その対血清比は38.7~54.8%であり, 200mg経口投与後では, 血清中濃度のピーク値は2時間22分の9.0μg/mlであり, 各組織中には3~5.4μg/gが得られ対血清比32~56%で, dese respenseが認められた。 臨床的成績では.子宮内感染6例.骨盤内感染1例, バルトリン腺膿痛2例, その他の外性器感染3'例, 乳腺炎1例, 急性単純性膀胱炎6例, 合計19例に対し.本剤1回100mg1日3回, 4~10日間投与し, 全例に臨床効果を認め, 分離菌別細菌学的効果87.5%の消失率を認めた。副作用はなかった。 以上の成績から, 産婦人科的感染症に対する本剤の有用性が示唆された。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.37.Supplement1_570