新カルバセフェム系抗生剤loracarbefの基礎的, 臨床的検討

新経口カルバセフェム系抗生剤であるloracarbefについて, 基礎的, 臨床的検討を行った。 基礎的検討: 臨床分離株14菌種, 302株について, 本剤とcefaclor (CCL), cefotiam (CTM), cefixime (CFIX), cefteram (CFTM) およびamoxicillin (AMPC) の抗菌力を比較した。本剤はMIC90でみるとグラム陽性菌においてはCCL, AMPCより優れており, グラム陰性菌においてもCCLと同等か優れた成績であった。しかし, CTM, CFIXおよびCFTMに比べると, 同等かやや劣る成績であった。 臨床的検討: 呼吸器感...

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Published in:CHEMOTHERAPY Vol. 41; no. Supplement3; pp. 260 - 266
Main Author: 伊良部, 勇栄他
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 公益社団法人 日本化学療法学会 1993
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Description
Summary:新経口カルバセフェム系抗生剤であるloracarbefについて, 基礎的, 臨床的検討を行った。 基礎的検討: 臨床分離株14菌種, 302株について, 本剤とcefaclor (CCL), cefotiam (CTM), cefixime (CFIX), cefteram (CFTM) およびamoxicillin (AMPC) の抗菌力を比較した。本剤はMIC90でみるとグラム陽性菌においてはCCL, AMPCより優れており, グラム陰性菌においてもCCLと同等か優れた成績であった。しかし, CTM, CFIXおよびCFTMに比べると, 同等かやや劣る成績であった。 臨床的検討: 呼吸器感染症13例に対して本剤1日600mgを分3で投与した。臨床効果は1例が著効, 9例が有効, 2例がやや有効, 1例は無効であり有効率は77%であった。除菌率は70%であった。 副作用は出現しなかったが, 本剤に起因すると考えられる有意な臨床検査値変動については1例で好酸球数の上昇がみられた。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.41.Supplement3_260