外科領域におけるCefpiramide (SM-1652) の臨床試用成績

新しいセフェム系半合成抗生物質Cefpiramide (CPM, SM-1652) の体液内濃度を測定すると共に, これを臨床例に試用したのでその成績を報告する。 被験者に胆石症4例を選び, 本剤0.5gあるいは1.0g静注後の血中濃度ならびに胆汁中濃度を測定した。測定には, 検定菌としてE. coli NIHJを用いる薄層カップ法を採用した。本剤1.0g one shot静注後の血中濃度は3時間および6時間目で136μg/ml, 101μg/mlを示し, 0.5g静注の2例では投与後30分目に平均89μg/mlのピーク値を示し, 1時間後平均53μg/ml.となり, 8時間後にも17.5μg...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in:CHEMOTHERAPY Vol. 31; no. Supplement1; pp. 692 - 700
Main Authors: 上田, 隆美, 藤本, 幹夫, 酒井, 克治, 川畑, 徳幸, 沢田, 晃, 土居, 進, 佐々木, 武也, 前田, 貞邦, 松本, 敬之助, 政田, 明徳, 森本, 譲, 川島, 正好
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 公益社団法人 日本化学療法学会 1983
Online Access:Get full text
Tags: Add Tag
No Tags, Be the first to tag this record!
Description
Summary:新しいセフェム系半合成抗生物質Cefpiramide (CPM, SM-1652) の体液内濃度を測定すると共に, これを臨床例に試用したのでその成績を報告する。 被験者に胆石症4例を選び, 本剤0.5gあるいは1.0g静注後の血中濃度ならびに胆汁中濃度を測定した。測定には, 検定菌としてE. coli NIHJを用いる薄層カップ法を採用した。本剤1.0g one shot静注後の血中濃度は3時間および6時間目で136μg/ml, 101μg/mlを示し, 0.5g静注の2例では投与後30分目に平均89μg/mlのピーク値を示し, 1時間後平均53μg/ml.となり, 8時間後にも17.5μg/mlを示した。胆汁中濃度は本剤0.5gあるいは1.0g静注例共に, 測定値には大きなばらつきを認めるものの, 4例ともピーク値は1,000μg/ml以上を示し, 長時間にわたって高値が持続した。 外科的感染症25例 (腹膜炎11例, 術後創感染4例, 術後胸腔内感染症, 敗血症および肛門周囲膿瘍各2例, 胆管炎, 下腿蜂巣炎, 横隔膜下膿瘍および癌潰瘍感染各1例) に本剤1回0.5g-1.0g 1日2回one shotあるいは点滴静注した。その結果, 25例中著効3例, 有効17例で, 有効率は80%となった。 本剤の副作用は全例に認められず, 臨床検査で1例にGOT, GPT値の軽度一過性上昇を認めたにすぎない。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.31.Supplement1_692