術後感染症に対する6315-S (Flomoxef) とCefotiamの薬効比較試験
術後感染症に対する6315-S (Flomoxef) の有効性, 安全性ならびに有用性を客観的に評価するため, Cefotiam (CTM) を対照薬とし, 両薬剤1日2g (分2) 点滴静注投与による薬効比較試験を行ない, 以下の成績を得た。 1. 総合臨床効果の有効率は, 6315-S群71.4%(90/126), CTM群62.2%(79/127) であり, 6315-S群がやや高い傾向にあったが有意差はなかった。術後創感染症例 (以下A層) と術後腹腔内感染および死腔感染症例 (以下B層) に層別すると, A層では6315-S群74.6%(53/71), CTM群74.2%(49/66...
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Published in: | CHEMOTHERAPY Vol. 35; no. Supplement1; pp. 912 - 943 |
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Main Author: | |
Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
公益社団法人 日本化学療法学会
1987
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Summary: | 術後感染症に対する6315-S (Flomoxef) の有効性, 安全性ならびに有用性を客観的に評価するため, Cefotiam (CTM) を対照薬とし, 両薬剤1日2g (分2) 点滴静注投与による薬効比較試験を行ない, 以下の成績を得た。 1. 総合臨床効果の有効率は, 6315-S群71.4%(90/126), CTM群62.2%(79/127) であり, 6315-S群がやや高い傾向にあったが有意差はなかった。術後創感染症例 (以下A層) と術後腹腔内感染および死腔感染症例 (以下B層) に層別すると, A層では6315-S群74.6%(53/71), CTM群74.2%(49/66) であり, 両薬剤群間に有意差はないが, B層では6315VS群67.3%(37/55), CTM群49.2%(30/61) の有効率を示し, Wilcoxonの順位和検定法で6315-S群が有意に優れる成績であった。 2. 経日的に検討した全般的改善度はいずれの時点においても両薬剤群間に有意差は認められなかった。投与終了日における改善率も6315-S群74.6%(94/126), CTM群74, 0%(94/127) で両薬剤群間に有意差は認められず, A層, B層に層別してみても同様であった。 3. 細菌学的効果では, 症例別の菌消失率は, 6315-S群57.3%(55/96), CTM群58.5%(55/94) で両薬剤群間に有意差は認められなかった。A層では6315VS群64-3%(36/56), CTM群67.9%(38/56) でありB層では6315-S群47.5%(19/40), CTM群44.7%(17/38) で両層とも両薬剤群間に有意差が認められなかった。 4. 副作用の発現率は6315-S群1.4%(2/146), CTM群1.3%(2/149), 臨床検査値異常は6315-S群9.5%(13/137), CTM群14.9%(21/141) であり, 両薬剤群間に有意差は認められなかった。 5. 有用性判定の満足以上の有用率は6315-S群65.4%(83/127), CTM群58.3%(74/127) であり, 層別すると, A層では6315-S群69.0%(49/71), CTM群65.2%(43/66), B層では6315-S群60.7%(34/56), CTM群50.8%(31/61) であり, 両薬剤群間に有意差は認められなかった。 以上の成績より, 6315-Sは術後感染症の治療薬として有用性の高い薬剤であると考えられた。 |
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ISSN: | 0009-3165 1884-5894 |
DOI: | 10.11250/chemotherapy1953.35.Supplement1_912 |