産婦人科領域におけるBMY-28100の基礎的・臨床的研究
新しい非エステル型の経口セフェム系抗生物質BMY-28100について産婦人科領域で, 抗菌力, 組織移行性, 母乳移行等の基礎的検討と, 産婦人科的感染症に対する臨床効果, 細菌学的効果, 副作用等を検討し, 以下の結果を得た。 1. 抗菌力: 産婦人科臨床分離株19菌種235株のMIC80は, グラム陽性球菌6.25~50μg/ml, グラム陰性桿菌1.56~>100μg/ml, 嫌気性球菌0.2μg/mlに分布した。 2. 組織移行: 本剤経口投与後の肘静脈血及び子宮動脈血の血清中濃度はほぼ一致し, そのピーク値は250mg投与で3.91μg/ml, 500mg投与で14.02μg/...
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Published in: | CHEMOTHERAPY Vol. 37; no. Supplement3; pp. 882 - 913 |
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Main Authors: | , , , |
Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
公益社団法人 日本化学療法学会
1989
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Summary: | 新しい非エステル型の経口セフェム系抗生物質BMY-28100について産婦人科領域で, 抗菌力, 組織移行性, 母乳移行等の基礎的検討と, 産婦人科的感染症に対する臨床効果, 細菌学的効果, 副作用等を検討し, 以下の結果を得た。 1. 抗菌力: 産婦人科臨床分離株19菌種235株のMIC80は, グラム陽性球菌6.25~50μg/ml, グラム陰性桿菌1.56~>100μg/ml, 嫌気性球菌0.2μg/mlに分布した。 2. 組織移行: 本剤経口投与後の肘静脈血及び子宮動脈血の血清中濃度はほぼ一致し, そのピーク値は250mg投与で3.91μg/ml, 500mg投与で14.02μg/ml, 子宮卵管等各組織には, ピーク値, 250mg投与で2~3μg/g, 500mg投与で5.08~6.24μg/gが認められた。 3. 母乳中移行濃度: 本剤250mg投与で0.126~0.154μg/ml, 500mg投与で0.236~0.386μg/mlの移行が認められた。 4. 臨床成績: 子宮内膜炎18例, 産褥子宮内感染6例, バルトリン腺膿瘍5例, 乳腺炎1例, 急性単純性膀胱炎9例, 計39例に対し, 本剤1回250mg, 1日3回, 3~7日間投与し, 疾患別臨床効果100%, 疾患別細菌学的効果86.7%, 分離菌別細菌学的効果88.9%の結果が得られ, 副作用は軽度の発疹を2例に認めた。 5. 以上の諸成績から産婦人科的感染症に対するBMY-28100の有用性が認められた。 |
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ISSN: | 0009-3165 1884-5894 |
DOI: | 10.11250/chemotherapy1953.37.Supplement3_882 |