Cronkhite-Canada症候群の1例

脱毛,皮膚色素沈着,四肢の爪甲の変形萎縮を主訴とした38才の主婦で,消化管造影で,胃,十二指腸,空腸,結腸全体にポリポーシスを認め, Cronkhite-Canada症候群と診断された. PAP法を用いた腸管局所免疫,患者のリンパ球を用いたADCC活性,末梢血中のT-リンパ球とB-リンパ球の比率は正常であったが, PPD, PHA,カンジダ,アスペルギルスなどの抗原に対する皮膚反応は減弱していた.また経過中,血清IgG, IgM, IgA値の低下,血清IgE値の上昇を認めた. prednisoloneの投与にて臨床症状は改善し,ポリープの数も著しく減少した.これらの所見から,本症例は全身的な免...

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Published in:日本内科学会雑誌 Vol. 76; no. 3; pp. 431 - 435
Main Authors: 深沢, 佐和子, 後藤, 裕美子, 小菅, 正之, 種田, 紳二, 西川, 哲裕, 三輪, 映, 高城, 義信, 霜山, 一雄, 鈴木, 知勝
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 一般社団法人 日本内科学会 1987
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Description
Summary:脱毛,皮膚色素沈着,四肢の爪甲の変形萎縮を主訴とした38才の主婦で,消化管造影で,胃,十二指腸,空腸,結腸全体にポリポーシスを認め, Cronkhite-Canada症候群と診断された. PAP法を用いた腸管局所免疫,患者のリンパ球を用いたADCC活性,末梢血中のT-リンパ球とB-リンパ球の比率は正常であったが, PPD, PHA,カンジダ,アスペルギルスなどの抗原に対する皮膚反応は減弱していた.また経過中,血清IgG, IgM, IgA値の低下,血清IgE値の上昇を認めた. prednisoloneの投与にて臨床症状は改善し,ポリープの数も著しく減少した.これらの所見から,本症例は全身的な免疫異常が病因に何等かの関連を持っていると考えられた.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.76.431