形成外科領域におけるmeropenemの基礎的・臨床的検討

カルバペネム系抗生物質meropenem (MEPM) の皮膚組織への移行性を検討するとともに, 熱傷および褥瘡を中心とする形成外科領域の感染症に対する有効性と安全性を検討した。 1) MEPM0.5gまたは1.0gを点滴静注し, 血清中および皮膚中濃度を測定した。血清中濃度は投与終了直後に最高値を示し, その後比較的速やかに減少した。熱傷患者における皮膚組織中濃度は投与後30分で最高値に達し, 熱傷部および非熱傷部においてそれぞれ9.28μg/g, 11.7μg/gでその後も持続した。非熱傷患者の皮膚中濃度も同様に高値で持続した。 2) 熱傷感染症, 褥瘡感染症およびその他の感染症にMEPM...

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Published in:CHEMOTHERAPY Vol. 40; no. 10; pp. 1273 - 1285
Main Author: 吉田, 哲憲
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 公益社団法人 日本化学療法学会 1992
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Description
Summary:カルバペネム系抗生物質meropenem (MEPM) の皮膚組織への移行性を検討するとともに, 熱傷および褥瘡を中心とする形成外科領域の感染症に対する有効性と安全性を検討した。 1) MEPM0.5gまたは1.0gを点滴静注し, 血清中および皮膚中濃度を測定した。血清中濃度は投与終了直後に最高値を示し, その後比較的速やかに減少した。熱傷患者における皮膚組織中濃度は投与後30分で最高値に達し, 熱傷部および非熱傷部においてそれぞれ9.28μg/g, 11.7μg/gでその後も持続した。非熱傷患者の皮膚中濃度も同様に高値で持続した。 2) 熱傷感染症, 褥瘡感染症およびその他の感染症にMEPMを1回0.5gまたは1g1日2回点滴静注して臨床的検討を行った。14例の熱傷感染症では11例が著効または有効であった。8例の褥瘡感染症では5例が著効または有効で, その他の感染症3例はすぺて有効であった。 3) 副作用は認められなかったが, 軽度のγ-GTPの上昇が1例に認められた。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.40.1273