カンジダ血症11例の臨床的・細菌学的検討およびmiconazoleの治療効果

昭和62年5月から昭和63年9月までの約2年間に, 延べ11例のカンジダ血症を経験し, ミコナゾールを中心とする治療を行なったので, その臨床的・真菌学的検討を行ない以下の成績を得た。 1. 全例に経静脈高カロリー栄養 (IVH) が施行され, 基礎疾患としては脳血管障害 (6例) と慢性呼吸不全 (4例-肺気腫3, 陳旧性肺結核1) がみられた。 2. IVH開始よりカンジダ血症発症までの期間は1~21か月にわたり, 尿路留置カテーテルは9例に, 先行抗生剤投与は6例に, また副腎皮質ホルモン投与は1例に行なわれていた。 3. 起炎菌としてはCandida parapsilosisが最も多く...

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Published in:CHEMOTHERAPY Vol. 37; no. 11; pp. 1389 - 1396
Main Authors: 道津, 安正, 長井, 徹雄, 須山, 洋之, 福嶋, 弘道, 藤田, 紀代, 河野, 浩太, 中西, 啓, 中富, 昌夫, 原, 耕平
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 公益社団法人 日本化学療法学会 1989
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Description
Summary:昭和62年5月から昭和63年9月までの約2年間に, 延べ11例のカンジダ血症を経験し, ミコナゾールを中心とする治療を行なったので, その臨床的・真菌学的検討を行ない以下の成績を得た。 1. 全例に経静脈高カロリー栄養 (IVH) が施行され, 基礎疾患としては脳血管障害 (6例) と慢性呼吸不全 (4例-肺気腫3, 陳旧性肺結核1) がみられた。 2. IVH開始よりカンジダ血症発症までの期間は1~21か月にわたり, 尿路留置カテーテルは9例に, 先行抗生剤投与は6例に, また副腎皮質ホルモン投与は1例に行なわれていた。 3. 起炎菌としてはCandida parapsilosisが最も多く, 院内環境・患者皮膚からも同菌が分離され, 外因性感染や院内感染の関与が示唆された。 4. 全例にミコナゾールの点滴静注を行ない, 臨床的有効率は72.7%, 除菌率は100%であった。IVHカテーテルの入れ替えを実施した場合の方が有効率は高く, また再発も少なかった。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.37.1389