試作ワンボトルワンステップレジンボンディングシステムの歯質接着性に関する基礎的検討

このたび, 独自のXenoの技術を生かした, 触媒等を必要としないという意味では国内初の1 液性のワンステップボンディングシステムがデンツプライ三金より開発・試作された.本研究の目的はこのシステムを用いて歯質接着性を中心に基礎的に検討を行うことにある.まずは牛歯に対する引張り接着強さの測定を行い, 次にヒト抜去歯のエナメル質, 象牙質平坦面, ならびにう蝕除去後の象牙質窩洞にレジンを填塞した試料を通法に従い半切・包埋し, アルゴンイオンエッチングを施した後に接合界面の様相をSEM観察した.さらにサーマルサイクリング後の辺縁漏洩試験も行われた.その結果, エナメル質, 象牙質に対する引張り接着強...

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Published in:接着歯学 Vol. 21; no. 3; pp. 233 - 242
Main Authors: 杉崎, 順平, 森上, 誠, 近藤, 正也, 藤原, 聡, 織田, 直樹, 山田, 敏元
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本接着歯学会 15-12-2003
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Description
Summary:このたび, 独自のXenoの技術を生かした, 触媒等を必要としないという意味では国内初の1 液性のワンステップボンディングシステムがデンツプライ三金より開発・試作された.本研究の目的はこのシステムを用いて歯質接着性を中心に基礎的に検討を行うことにある.まずは牛歯に対する引張り接着強さの測定を行い, 次にヒト抜去歯のエナメル質, 象牙質平坦面, ならびにう蝕除去後の象牙質窩洞にレジンを填塞した試料を通法に従い半切・包埋し, アルゴンイオンエッチングを施した後に接合界面の様相をSEM観察した.さらにサーマルサイクリング後の辺縁漏洩試験も行われた.その結果, エナメル質, 象牙質に対する引張り接着強さはそれぞれ約20, 15MPaの値を示し, Clearm Mega Bondと比べて有意差は認められなかった.歯質に対しての接合状態は良好であり, 象牙質表層には0.5-1.0μmの樹脂含浸層が明瞭に観察された.またサーマルサイクリング後の窩壁適合性も良好であった.本システムは次世代のボンディングシステムとして期待できるものであると考えられた.
ISSN:0913-1655
2185-9566
DOI:10.11297/adhesdent1983.21.233