抗HIV薬zidovudineの体内動態に関する研究II 食事およびprobenecidの影響

Zidovudine (AZT) の体内動態におよぼす食事, probenecidの影響をHIV-1抗体陽性者で検討したところ, 次の結果をえた。 1. AZTの消化管吸収は食事により大きく影響を受けるものの, 食事前1時間使用ではその影響はほぼ解消された。 2. Probenecidの併用はAZT使用前と同時使用がもっとも効果的であった。 3. Probenecidの併用により, AZT, glucuronide conjugated AZT (GAZT) とも, Cmax, AUC, T1/2が増大し, 尿中回収率はGAZTにおいて減少した。 4. Probenecidの併用によるAZT連...

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Published in:CHEMOTHERAPY Vol. 41; no. 4; pp. 499 - 503
Main Authors: 上田, 泰, 松本, 文夫, 今井, 健郎, 桜井, 磐, 高橋, 孝行, 森田, 雅之
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 公益社団法人 日本化学療法学会 25-04-1993
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Description
Summary:Zidovudine (AZT) の体内動態におよぼす食事, probenecidの影響をHIV-1抗体陽性者で検討したところ, 次の結果をえた。 1. AZTの消化管吸収は食事により大きく影響を受けるものの, 食事前1時間使用ではその影響はほぼ解消された。 2. Probenecidの併用はAZT使用前と同時使用がもっとも効果的であった。 3. Probenecidの併用により, AZT, glucuronide conjugated AZT (GAZT) とも, Cmax, AUC, T1/2が増大し, 尿中回収率はGAZTにおいて減少した。 4. Probenecidの併用によるAZT連続使用ではAZTの血中濃度推移は蓄積傾向を示した。 以上の成績からAZTの使用にあたっては食事前1時間使用が妥当であり, probenecidを併用する場合には使用回数を減らしうる可能性が示唆された。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.41.499