脳神経外科領域で応用可能な新しいセラミックの組織親和性に関する実験的研究

セラミックは組織親和性に優れ, すでに整形外科・口腔外科領域を中心に臨床応用されている. 広く用いられているアルミナセラミック(以下Al)は他の生体材料に比べ組織親和性に優れているが, 骨に比べて硬くて脆いという欠点を持っている. 我々はこれまでにAlを頭蓋形成術の代用骨8, 9)や頸椎前方固定のspacer7)として用いてきたが, 自家骨よりも硬く脆いという欠点を痛感している. これを補うために, 鉄と同等の曲げ強度を持つジルコニアセラミック(以下Zr)や骨緻密質と同じ組成・硬度の水酸化アパタイト(以下Ha)が開発されてきた. 今回我々はこの3種のセラミックにつき, 生体への親和性, 臨床応...

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Published in:Neurologia medico-chirurgica Vol. 24; no. 12; pp. 909 - 914
Main Authors: 奥村禎三, 織田祥史, 森惟明
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本脳神経外科学会 1984
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Description
Summary:セラミックは組織親和性に優れ, すでに整形外科・口腔外科領域を中心に臨床応用されている. 広く用いられているアルミナセラミック(以下Al)は他の生体材料に比べ組織親和性に優れているが, 骨に比べて硬くて脆いという欠点を持っている. 我々はこれまでにAlを頭蓋形成術の代用骨8, 9)や頸椎前方固定のspacer7)として用いてきたが, 自家骨よりも硬く脆いという欠点を痛感している. これを補うために, 鉄と同等の曲げ強度を持つジルコニアセラミック(以下Zr)や骨緻密質と同じ組成・硬度の水酸化アパタイト(以下Ha)が開発されてきた. 今回我々はこの3種のセラミックにつき, 生体への親和性, 臨床応用の可能性を比較検討したので報告する.
ISSN:0470-8105