麻痺性貝毒のマウス試験におけるカルシウムの影響 健康食品の衛生学的調査 (第3報)

健康食品として市販されているカキエキス錠剤について, マウスを用いる公定法により麻痺性貝毒 (Paralytic Shellfish Poison: PSP) 試験を行った. この結果, 17試料中11試料から 3.9~12.5MU/g のマウス毒性が認あられた. しかし, TLC法, けい光強度法及びHPLC法ではPSPは検出されなかった. そこでマウスの致死原因を検討した結果, 錠剤の成形剤の一つとして使用されている炭酸カルシウムがPSP抽出操作で用いる塩酸により, 塩化カルシウムに変換し毒性を示すものと考えられた. そこで塩酸の代わりに, 硫酸, クエン酸, リン酸等を使用したところ,...

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Published in:食品衛生学雑誌 Vol. 32; no. 5; pp. 402 - 407_1
Main Authors: 只野, 敬子, 安田, 和男, 牛山, 博文, 二島, 太一郎
Format: Journal Article
Language:English
Published: 公益社団法人 日本食品衛生学会 05-10-1991
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Description
Summary:健康食品として市販されているカキエキス錠剤について, マウスを用いる公定法により麻痺性貝毒 (Paralytic Shellfish Poison: PSP) 試験を行った. この結果, 17試料中11試料から 3.9~12.5MU/g のマウス毒性が認あられた. しかし, TLC法, けい光強度法及びHPLC法ではPSPは検出されなかった. そこでマウスの致死原因を検討した結果, 錠剤の成形剤の一つとして使用されている炭酸カルシウムがPSP抽出操作で用いる塩酸により, 塩化カルシウムに変換し毒性を示すものと考えられた. そこで塩酸の代わりに, 硫酸, クエン酸, リン酸等を使用したところ, いずれの場合もカルシウムの影響を受けずにPSPの抽出ができることが分かった.
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.32.402