GPCおよびミニカラム精製を用いた食肉中残留農薬スクリーニング法

食肉中に残留する農薬202成分(代謝物を含む)のGC/MSおよびLC/MSを用いたスクリーニング法を検討した.脂質含有量の高い食肉から幅広い極性の農薬を抽出するために,抽出溶媒に酢酸エチル-シクロヘキサン(1:1)溶液を用いた.同時に抽出されてくるコレステロールや脂肪酸,グリセリンモノ脂肪酸エステルなどの夾雑成分を除去するために,ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)と固相抽出用ミニカラム2種(PSAミニカラムとシリカゲルミニカラム)により精製を行った.これよりGC/MSおよびLC/MSのSCAN分析において,夾雑成分の影響を受けることなく,測定することができた.本法による添加回収実験(0.1 μg...

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Published in:Shokuhin eiseigaku zasshi Vol. 50; no. 2; pp. 97 - 107
Main Authors: 松岡, 智郁, 秋山, 由美, 三橋, 隆夫
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 公益社団法人 日本食品衛生学会 2009
日本食品衛生学会
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Description
Summary:食肉中に残留する農薬202成分(代謝物を含む)のGC/MSおよびLC/MSを用いたスクリーニング法を検討した.脂質含有量の高い食肉から幅広い極性の農薬を抽出するために,抽出溶媒に酢酸エチル-シクロヘキサン(1:1)溶液を用いた.同時に抽出されてくるコレステロールや脂肪酸,グリセリンモノ脂肪酸エステルなどの夾雑成分を除去するために,ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)と固相抽出用ミニカラム2種(PSAミニカラムとシリカゲルミニカラム)により精製を行った.これよりGC/MSおよびLC/MSのSCAN分析において,夾雑成分の影響を受けることなく,測定することができた.本法による添加回収実験(0.1 μg/g添加)を行った結果,回収率が 50~140% のものは202成分のうち185成分であった.これらの定量限界値は0.01 μg/g以下(3成分を除く)であった.以上のことより,本法は食肉中残留農薬の多成分スクリーニング法として十分に適用できると考えられた.
Bibliography:ZZ00009680
771708
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.50.97