チーズ製造工程における黄色ブドウ球菌の生残性と増殖に関する検討

国産チーズの製造工程において,黄色ブドウ球菌増殖を制御することを目的に,同菌の接種試験を実施した.全工程より黄色ブドウ球菌の増殖可能な温度帯にある工程を抽出した後,工程内と同条件の乳,カードおよびホエイ中で増殖およびエンテロトキシン産生を調べた.その結果,多くのチーズでは顕著な増殖は認められなかった.また,フレッシュ系のナチュラルチーズでは,黄色ブドウ球菌の増殖が認められたが,エンテロトキシンは産生しなかった.これらの結果から,スターター乳酸菌の酸生成による黄色ブドウ球菌の増殖抑制が示唆され,原料乳殺菌後の二次汚染防止と酸度の管理が重要と考えられた....

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Published in:Shokuhin eiseigaku zasshi Vol. 49; no. 2; pp. 116 - 123
Main Authors: 青山, 顕司, 高橋, 千登勢, 山内, 吉彦, 酒井, 史彦, 五十嵐, 英夫, 柳平, 修一, 小西, 寛昭
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 公益社団法人 日本食品衛生学会 2008
日本食品衛生学会
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Description
Summary:国産チーズの製造工程において,黄色ブドウ球菌増殖を制御することを目的に,同菌の接種試験を実施した.全工程より黄色ブドウ球菌の増殖可能な温度帯にある工程を抽出した後,工程内と同条件の乳,カードおよびホエイ中で増殖およびエンテロトキシン産生を調べた.その結果,多くのチーズでは顕著な増殖は認められなかった.また,フレッシュ系のナチュラルチーズでは,黄色ブドウ球菌の増殖が認められたが,エンテロトキシンは産生しなかった.これらの結果から,スターター乳酸菌の酸生成による黄色ブドウ球菌の増殖抑制が示唆され,原料乳殺菌後の二次汚染防止と酸度の管理が重要と考えられた.
Bibliography:760763
ZZ00009680
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.49.116