急性期脳主幹動脈閉塞症に対する単相CT angiographyによる側副血行路解析の有用性

【背景および目的】脳主幹動脈閉塞症に対する血栓回収療法後の転帰には側副血行路の発達程度が関連するが,判定方法は確立されていない.我々は,簡便な単相CT angiography(CTA)による側副血行評価の有効性を検討した.【方法】2015年6月から2019年11月にICAまたはMCA閉塞を来し血栓回収療法を行った51例を後方視的に検討した.単相CTAにて閉塞血管支配の造影範囲を対側と比較した(側副血行スコア0,0%;1,1–50%;2,51–99%;3,100%).発症90日後のmRS grade 0–2を転帰良好とした.【結果】転帰良好は20例で,再開通の有無と再開通までの時間に差はなく,側...

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Published in:脳卒中 p. 11269
Main Authors: 山﨑, 茉美, 中野, 真, 吉岡, 秀幸, 金丸, 和也, 橋本, 幸治, 風間, 宙文, 松本, 学, 木内, 博之
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 一般社団法人 日本脳卒中学会 2024
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Summary:【背景および目的】脳主幹動脈閉塞症に対する血栓回収療法後の転帰には側副血行路の発達程度が関連するが,判定方法は確立されていない.我々は,簡便な単相CT angiography(CTA)による側副血行評価の有効性を検討した.【方法】2015年6月から2019年11月にICAまたはMCA閉塞を来し血栓回収療法を行った51例を後方視的に検討した.単相CTAにて閉塞血管支配の造影範囲を対側と比較した(側副血行スコア0,0%;1,1–50%;2,51–99%;3,100%).発症90日後のmRS grade 0–2を転帰良好とした.【結果】転帰良好は20例で,再開通の有無と再開通までの時間に差はなく,側副血行のみ転帰に関連していた(p=0.012).さらに,側副血行スコアが高いほど転帰良好であった(p<0.001).【結論】単相CTAの側副血行スコアは簡便に予後予測が可能であり,治療適応の判断に有用である.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.11269