胃癌, 大腸癌 (膵癌を含む) に対する温熱化学療法の有用性 多施設共同研究
日本ハイパーサーミア学会では, 温熱化学療法の臨床的有用性を確認する目的で部位別に6班が構成された. その1つとして, 胃癌・大腸癌 (膵癌を含む) 班は11施設12部門で胃癌, 大腸癌, 膵癌について種々の角度からその有用性を検討した. 対象症例は, 評価可能な胃癌33例, 大腸癌30例, 膵癌27例計90例である. 今回は各施設で施行された温熱化学療法症例と同様の背景を有する化学療法単独症例を対照としてhistorical controlled studyを行った. 有用性は, 抗腫瘍効果, 延命効果, QOLを含む臨床症状の改善などで比較検討した. 抗腫瘍効果では, 胃癌, 膵癌で奏効率...
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Published in: | 日本ハイパーサーミア学会誌 Vol. 9; no. 4; pp. 298 - 309 |
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Main Authors: | , , , , , , , , , , , , , , |
Format: | Journal Article |
Language: | English |
Published: |
日本ハイパーサーミア学会
01-12-1993
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Subjects: | |
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Summary: | 日本ハイパーサーミア学会では, 温熱化学療法の臨床的有用性を確認する目的で部位別に6班が構成された. その1つとして, 胃癌・大腸癌 (膵癌を含む) 班は11施設12部門で胃癌, 大腸癌, 膵癌について種々の角度からその有用性を検討した. 対象症例は, 評価可能な胃癌33例, 大腸癌30例, 膵癌27例計90例である. 今回は各施設で施行された温熱化学療法症例と同様の背景を有する化学療法単独症例を対照としてhistorical controlled studyを行った. 有用性は, 抗腫瘍効果, 延命効果, QOLを含む臨床症状の改善などで比較検討した. 抗腫瘍効果では, 胃癌, 膵癌で奏効率が45%と21%, 30%と7%で温熱化学療法群で有意の縮小をみとめた. 延命効果では, 大腸癌, 膵癌でそれぞれ50%生存期間が10ヵ月と5ヵ月, 7ヵ月と2ヵ月で温熱化学療法群に有意の延命をみとめた. 臨床症状の改善はPSの改善が44%に, 癌性痙痛の改善が75%にみとめられた. |
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ISSN: | 0911-2529 1881-9516 |
DOI: | 10.3191/thermalmedicine.9.298 |