一般演題4 フラクトオリゴ糖摂食によるヒト腸内環境の代謝動態解析

【目的】腸内細菌叢(腸内フローラ)は宿主の健康維持・増進に寄与したり, あるいは逆に腸管関連疾患の発症にも関与することが知られている. そのため, 腸内フローラを含む腸内環境全体の代謝動態を理解し, それらを制御することは, われわれのQuality of Lifeを向上させるという意味でも重要である. 腸内フローラの制御方法の一つとして, ビフィズス菌などのいわゆる善玉菌の増殖促進効果を有し, 腸内環境の改善効果をもたらすプレバイオティクスの一種であるフラクトオリゴ糖(FOS)摂取があげられる. マウスを用いた試験ではFOSを摂食することで腸管免疫系が賦活化され, アレルギー抑制効果や感染症...

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Published in:腸内細菌学雑誌 Vol. 25; no. 2; p. 56
Main Authors: 藤原明美, 福田真嗣, 加藤完, 菊地淳, 大野博司
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本ビフィズス菌センター 2011
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Summary:【目的】腸内細菌叢(腸内フローラ)は宿主の健康維持・増進に寄与したり, あるいは逆に腸管関連疾患の発症にも関与することが知られている. そのため, 腸内フローラを含む腸内環境全体の代謝動態を理解し, それらを制御することは, われわれのQuality of Lifeを向上させるという意味でも重要である. 腸内フローラの制御方法の一つとして, ビフィズス菌などのいわゆる善玉菌の増殖促進効果を有し, 腸内環境の改善効果をもたらすプレバイオティクスの一種であるフラクトオリゴ糖(FOS)摂取があげられる. マウスを用いた試験ではFOSを摂食することで腸管免疫系が賦活化され, アレルギー抑制効果や感染症予防効果があることが報告されているが, その詳細な分子メカニズムは不明な点が多い. われわれはFOS摂食時のヒト腸内環境の変動を正しく理解するため, 腸内フローラおよび腸管内代謝物の変動を菌叢解析技術とメタボローム解析技術を組み合わせた相関解析手法を用いて, FOS摂食によるヒト腸内環境動態の詳細について解析した.
ISSN:1343-0882