トラマドールの併用がワルファリン服用患者のPT-INRの変動に及ぼす影響

「緒言」ワルファリン(warfarin; WF)は, 血液のうっ滞や凝固系の関与が強い静脈血栓に対して用いられる抗凝固薬であり, 深部静脈血栓症, 肺塞栓症, 心筋梗塞の二次予防, 心房細動における血栓塞栓症の予防, 人工弁置換術後の血栓塞栓症などに用いられる. WFは多くの薬物との相互作用が知られており, 作用の増強による出血や, 作用の減弱による血栓塞栓症などの重篤な合併症との関連が指摘されている. WFを安全かつ効果的に使用するためには, その抗凝固作用をプロトロンビン時間国際標準比(prothrombin time-international normalized ratio; PT-...

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Published in:YAKUGAKU ZASSHI Vol. 137; no. 8; pp. 999 - 1003
Main Authors: 細野, 智美, 近藤, 愛子, 神林, 泰行, 本間, 真人
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 公益社団法人 日本薬学会 01-08-2017
日本薬学会
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Description
Summary:「緒言」ワルファリン(warfarin; WF)は, 血液のうっ滞や凝固系の関与が強い静脈血栓に対して用いられる抗凝固薬であり, 深部静脈血栓症, 肺塞栓症, 心筋梗塞の二次予防, 心房細動における血栓塞栓症の予防, 人工弁置換術後の血栓塞栓症などに用いられる. WFは多くの薬物との相互作用が知られており, 作用の増強による出血や, 作用の減弱による血栓塞栓症などの重篤な合併症との関連が指摘されている. WFを安全かつ効果的に使用するためには, その抗凝固作用をプロトロンビン時間国際標準比(prothrombin time-international normalized ratio; PT-INR)で評価し, 用量を調節することが重要である. トラマドール(tramadol; TR)は, オピオイド受容体に結合するとともにモノアミン再取り込み阻害作用によって鎮痛効果を発揮する非麻薬性の中枢性鎮痛薬であり, 治療困難ながん性疼痛, 慢性疼痛の緩和に汎用されている.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.16-00270