小脳橋角部脂肪腫の1例

頭蓋内脂肪腫はまれな脳腫瘍で, しかも大多数は脳梁など正中構造およびその近傍に発生することはよく知られている. 我々は正中部とは異なり, 左小脳橋角部に生じた頭蓋内脂肪腫の1手術例を経験した. 小脳橋角部脂肪腫は剖検例, 臨床例を合せても21例が報告されているにすぎず, きわめてまれである. そこで, 自験例の詳細を報告し, 本症の診断と治療の問題点について文献的考察を加える. 症例 <患者〉48才, 男性 主訴:発作性の動揺感, 虚脱感 家族歴:特記すべきことはない. 既往歴:約15年前, 左顔面痛があり, 三叉神経痛と診断され, やく3年間の投薬で軽快した. 高血圧を指摘されていされ...

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Published in:Neurologia medico-chirurgica Vol. 28; no. 11; pp. 1113 - 1118
Main Authors: 中尾哲, 山本豊城, 福光太郎, 伴貞彦, 本崎孝彦, 佐藤慎一, 大塚信一, 中津正二, 田渕太郎, 幸茂男
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本脳神経外科学会 1988
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Description
Summary:頭蓋内脂肪腫はまれな脳腫瘍で, しかも大多数は脳梁など正中構造およびその近傍に発生することはよく知られている. 我々は正中部とは異なり, 左小脳橋角部に生じた頭蓋内脂肪腫の1手術例を経験した. 小脳橋角部脂肪腫は剖検例, 臨床例を合せても21例が報告されているにすぎず, きわめてまれである. そこで, 自験例の詳細を報告し, 本症の診断と治療の問題点について文献的考察を加える. 症例 <患者〉48才, 男性 主訴:発作性の動揺感, 虚脱感 家族歴:特記すべきことはない. 既往歴:約15年前, 左顔面痛があり, 三叉神経痛と診断され, やく3年間の投薬で軽快した. 高血圧を指摘されていされてるが, 治療を受けていない. 現病歴:1986年夏頃より発作性の動揺感, 虚脱感が臥床時や車の運転時に生じた. 発作は, あたかもエレベーターで上下する感じであった. 頭部CTスキャンなどで異常を指摘されたため, 入院した.
ISSN:0470-8105