後発医薬品の生物学的同等性に関する情報提供のあり方 —大学院生の附属薬局研修からの考察

「緒言」後発医薬品(以下「後発品」とする)は, 先発医薬品(以下「先発品」とする)の特許期限が切れた後に上市される医薬品である. 先発品と同一の有効成分を同一量含む, 同一剤形の製剤で, 用法, 用量や効能, 効果も等しい医薬品であることから, 理屈上は, 先発品との代替が可能である. 1)後発品の製造販売承認の取得には, 物理化学的性質を評価するための規格試験, 安定性を評価するための加速試験, 薬物動態を評価するための生物学的同等性試験の実施が必須要件とされている. すなわち, その医薬品としての有効性, 安全性は先発品の承認時に検証されていることより, 先発品との生物学的同等性を証明する...

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Published in:YAKUGAKU ZASSHI Vol. 127; no. 7; pp. 1159 - 1166
Main Authors: 恩田, 光子, 兼松, 美和, 北村, 朋子, 酒井, 隆浩, 阪上, 久美子, 田中, 景子, 濱畑, 有記美, 廣岡, 輝子, 藤井, 貴和子, 松田, 雅史, 三木, 春奈, 真下, 博孝, 羽田, 理恵, 荒川, 行生
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 公益社団法人 日本薬学会 2007
日本薬学会
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Summary:「緒言」後発医薬品(以下「後発品」とする)は, 先発医薬品(以下「先発品」とする)の特許期限が切れた後に上市される医薬品である. 先発品と同一の有効成分を同一量含む, 同一剤形の製剤で, 用法, 用量や効能, 効果も等しい医薬品であることから, 理屈上は, 先発品との代替が可能である. 1)後発品の製造販売承認の取得には, 物理化学的性質を評価するための規格試験, 安定性を評価するための加速試験, 薬物動態を評価するための生物学的同等性試験の実施が必須要件とされている. すなわち, その医薬品としての有効性, 安全性は先発品の承認時に検証されていることより, 先発品との生物学的同等性を証明することで先発品と同程度の有効性, 安全性が担保されるとの認識から, 2)後発品の申請時には臨床試験の実施は免除されている. したがって, 先発品の場合と比較して, 後発品の承認申請に要する期間は短く, 研究開発費を含む製造コストも大幅に低く抑えられることにより, 後発品の薬価は先発品のそれに比べて格段に安く設定されている. このようなことから, 医療現場に対しては, 2002年以降, 医療費の適正化を目的として, 処方箋様式の見直し, 後発品を含む処方に対する診療報酬上の評価, 後発品の調剤や情報提供に対する調剤報酬上の評価など, 経済的インセンティブを与えるという手段で後発品使用の促進策が講じられてきている.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.127.1159