めまい及び随伴症状に対するカリジノゲナーゼとアデノシン三リン酸二ナトリウムの治療効果比較

「はじめに」近年, メニエール病をはじめとする末梢性のめまい患者は増加傾向にあり1)2), 高齢化している. めまい平衡医学に関しては様々な新知見が蓄積されている3)4). しかし, めまいの治療薬に関するエビデンスは少ないことが知られている5). めまい症例では, めまい以外にも首・肩のこり6)や頭痛7)等の随伴症状を有することが報告されていることから, 随伴症状に対する治療も必要である. 抗めまい薬として処方されているカリジノゲナーゼ(商品名カルナクリン)は, メニエール病及び類似疾患等の耳性めまいに対し, めまい, 耳鳴の治療効果がプラセボより有意に優れていること8), 末梢性・中枢性め...

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Published in:Equilibrium Research Vol. 69; no. 1; pp. 16 - 26
Main Authors: 池園, 哲郎, 清, 千鶴子, 酒主, 敦子, 小泉, 康雄, 新藤, 晋, 八木, 聰明
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 一般社団法人 日本めまい平衡医学会 2010
日本めまい平衡医学会
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Summary:「はじめに」近年, メニエール病をはじめとする末梢性のめまい患者は増加傾向にあり1)2), 高齢化している. めまい平衡医学に関しては様々な新知見が蓄積されている3)4). しかし, めまいの治療薬に関するエビデンスは少ないことが知られている5). めまい症例では, めまい以外にも首・肩のこり6)や頭痛7)等の随伴症状を有することが報告されていることから, 随伴症状に対する治療も必要である. 抗めまい薬として処方されているカリジノゲナーゼ(商品名カルナクリン)は, メニエール病及び類似疾患等の耳性めまいに対し, めまい, 耳鳴の治療効果がプラセボより有意に優れていること8), 末梢性・中枢性めまいに対し, めまいのみならず耳鳴, 耳閉感, 頭痛・頭重等の随伴症状にも有効であったこと9)が報告されている. 一方, めまいや随伴症状に対するカリジノゲナーゼの効果を他の抗めまい薬と比較した報告はない.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.69.16