Mofezolac (N-22)の生殖・発生毒性試験(第2報) : ラット経口投与による胎仔器官形成期投与試験
被験物質N-22の10, 50, 100および150mg/kg/dayをラット母獣の妊娠7日目から17日目までの11日間にわたり毎日経口投与し, F0母獣, F1胎仔ならびにF1次世代動物におよぼす影響を検討するとともに一部の次世代動物を繁殖能試験に供してF2におよぼす影響についても検討した. 1. F0におよぼす影響 10および50mg/kg群の一般症状, 妊娠経過, 分娩状態, 哺育状態, 剖検において異常を認めなかった. 100mg/kg群では妊娠中における下腹部の尿汚染, 脾臓の肥大, 出生仔哺育不良が1例ずつ観察され投薬の影響と認められた. 150mg/kg群では有意の摂餌量減少およ...
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Published in: | The Journal of Toxicological Sciences Vol. 15; no. SupplementII; pp. 165 - 208 |
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Main Authors: | , , , , , , |
Format: | Journal Article |
Language: | English Japanese |
Published: |
一般社団法人 日本毒性学会
1990
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Summary: | 被験物質N-22の10, 50, 100および150mg/kg/dayをラット母獣の妊娠7日目から17日目までの11日間にわたり毎日経口投与し, F0母獣, F1胎仔ならびにF1次世代動物におよぼす影響を検討するとともに一部の次世代動物を繁殖能試験に供してF2におよぼす影響についても検討した. 1. F0におよぼす影響 10および50mg/kg群の一般症状, 妊娠経過, 分娩状態, 哺育状態, 剖検において異常を認めなかった. 100mg/kg群では妊娠中における下腹部の尿汚染, 脾臓の肥大, 出生仔哺育不良が1例ずつ観察され投薬の影響と認められた. 150mg/kg群では有意の摂餌量減少および体重増加抑制が認められ, 約1/3の母獣には穿孔性腹膜炎およびそれに関連する病変が発現し, 死亡, 切迫屠殺, 早産, 分娩遅延, 出生仔哺育不良が1, 2例ずつ観察されるなどの投薬の影響が認められた. 2. F1におよぼす影響 10, 50および100mg/kg群では投薬の影響と考えられる胎仔毒性および催奇形作用は認められなかった. 150mg/kg群では胎仔体重の有意な減少, 未熟仔数の増加, 第5, 6胸骨骨核および尾椎骨の有意な骨化遅延, 次世代動物の雌の有意な体重増加抑制に投薬の影響が認められた. 次世代動物の分化, 行動, 学習能, 繁殖能において各投薬群は投薬の影響を受けなかった. 3. F2におよぼす影響 各投薬群の胎仔および出生仔に投薬の影響と考えられる異常は認められなかった. 4. 無影響量 今回の試験条件によるN-22の無影響量は母獣および出生仔で50mg/kg/day, 胎仔で100mg/kg/dayと考えられた. 以上, N-22の大量経口投与によりラット母獣に消化管潰瘍の形成および死亡の発生が認められ, 胎仔および次世代動物には母獣の栄養障害による発育遅延が認められた. しかし, このような用量においても催奇形作用は認められず, 次世代動物の繁殖能にも影響をおよぼさないと結論された. |
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ISSN: | 0388-1350 1880-3989 |
DOI: | 10.2131/jts.15.SupplementII_165 |