(3) 頭頸部癌に対する放射線治療後の顎骨壊死とFDG-PET

目的: 放射線治療後の頭頸部癌において18F-FDGが集積した症例では, 癌組織が残存しているのか, Radiation Osteonecrosisの集積かの判断に苦慮することがある. 今回, Radiation Osteonecrosisが疑われた頭頸部癌4例についてFDG-PETを施行したので報告する. 症例: 対象は, 平均年齢62歳の男性4例で, 中咽頭癌(3例)と口腔底癌(1例)である. いずれも, RT(下顎から前頸部, 左右2方向, 65~70Gy)が3~4年前に施行されている. 全例選択的動注療法を併用している. 結果: いずれの症例もFDG-PETでは, 顎骨壊死と思われる部...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in:核医学 Vol. 46; no. 4; pp. 382 - 383
Main Authors: 吉川邦彦, 曽根照喜, 森谷卓也, 西村広健, 伊禮功, 宇野雅子, 森幸威, 平塚純一, 永井清久, 三村浩朗, 甲谷理温, 大畠康, 福永仁夫
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本核医学会 30-11-2009
Online Access:Get full text
Tags: Add Tag
No Tags, Be the first to tag this record!
Description
Summary:目的: 放射線治療後の頭頸部癌において18F-FDGが集積した症例では, 癌組織が残存しているのか, Radiation Osteonecrosisの集積かの判断に苦慮することがある. 今回, Radiation Osteonecrosisが疑われた頭頸部癌4例についてFDG-PETを施行したので報告する. 症例: 対象は, 平均年齢62歳の男性4例で, 中咽頭癌(3例)と口腔底癌(1例)である. いずれも, RT(下顎から前頸部, 左右2方向, 65~70Gy)が3~4年前に施行されている. 全例選択的動注療法を併用している. 結果: いずれの症例もFDG-PETでは, 顎骨壊死と思われる部位に高集積がみられた. 病理組織では, 腐骨の状態であり, 肉牙組織や化膿性炎症がみられた. また放線菌の存在も認められた. 考察: 顎骨放射線骨壊死は, 頭頸部癌の放射線治療3年前後に生じ, 5~15%に発症するといわれている. 発症機序として, 放射線誘発低O2血症と虚血が考えられる. 最近顎骨壊死の原因として, ビスフォスフォネート(特に静注投与)が注目されており, 同様にFDGの集積が報告されている. 顎骨壊死とFDG集積の関係については, 今後さらなる検討が必要である.
ISSN:0022-7854