P-114)深部静脈血栓症に対するテンポラリー下大静脈フィルター留置下血栓溶解療法
目的:深部静脈血栓症に対し, テンポラリー下大静脈フィルター留置下に血栓溶解療法を施行すること. 対象および方法:26歳女性. 帝王切開による出産後の肺血栓塞栓症. 全身的抗凝固, 血栓溶解療法により症状の改善を得たが, 下肢静脈造影にて広範な深部静脈血栓が認められたため, 遊離血栓による肺血栓塞栓症の増悪が危惧された, そこで, テンポラリー下大静脈フィルター留置下に血栓溶解療法を施行することとした. 手技は右内径静脈よりアンテオフィルター(メディテック社製)を挿入し, フィルター部分を腎静脈下方に留置固定した. その後, 全身的にヘパリン1万5千単位/日, 局所内にウロキナーゼ24万単位/...
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Published in: | Journal of Nippon Medical School Vol. 65; no. 6; p. 564 |
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Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
日本医科大学医学会
1998
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Summary: | 目的:深部静脈血栓症に対し, テンポラリー下大静脈フィルター留置下に血栓溶解療法を施行すること. 対象および方法:26歳女性. 帝王切開による出産後の肺血栓塞栓症. 全身的抗凝固, 血栓溶解療法により症状の改善を得たが, 下肢静脈造影にて広範な深部静脈血栓が認められたため, 遊離血栓による肺血栓塞栓症の増悪が危惧された, そこで, テンポラリー下大静脈フィルター留置下に血栓溶解療法を施行することとした. 手技は右内径静脈よりアンテオフィルター(メディテック社製)を挿入し, フィルター部分を腎静脈下方に留置固定した. その後, 全身的にヘパリン1万5千単位/日, 局所内にウロキナーゼ24万単位/日を14日間投与した. 結果:抗凝固, 血栓溶解療法後の下肢静脈造影にて, 血栓はほとんど消失したためフィルターを抜去した. フィルター回収時, 特に副障害はみられなかった. 7ヵ月後の現在, 患者は外来にて経過観察中であるが, 症状の再発は認められていない. 考察:現在, 本邦で使用可能なテンポラリー下大静脈は, 1)Antheor, 2)Neuhaus protect, 3)Filtret hery, 4)Vena tech temporary, 5)Gunther Tulipの5種類がある. しかしながら, いまだ適応などの点で問題点も多く今後の発展が望まれる. |
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ISSN: | 1345-4676 |