7)妊娠中毒症重症妊婦血清による血管内皮細胞ICAM-1発現の増強

われわれはこれまで, 妊娠中毒症重症例において末梢血NK細胞活性が上昇していることを報告してきた. 血管内皮細胞上に高頻度に表出される接着分子, ICAM-1はNK細胞の標的分子のひとつとみなされるが, これらの相互作用が妊娠中毒症の病態形成に大きく関与している可能性がある. そこで, 妊娠中毒症妊婦血清の血管内皮細胞上のICAM-1発現に及ぼす影響を検討した. 対象および方法:1)妊娠中毒症重症18例を対象とした. 対照群として合併症のない妊婦(n=9)を無作為に抽出した. 2)正常児の臍帯より血管内皮細胞をJaffeの方法に準じて分離し, 2~3代継代培養した. この培養系に非働化した患者...

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Published in:Journal of Nippon Medical School Vol. 63; no. 3; p. 240
Main Authors: 有坂康子, 竹下俊行, 大屋敦子, 朝倉啓文, 越野立夫, 高橋秀実
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本医科大学医学会 1996
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Summary:われわれはこれまで, 妊娠中毒症重症例において末梢血NK細胞活性が上昇していることを報告してきた. 血管内皮細胞上に高頻度に表出される接着分子, ICAM-1はNK細胞の標的分子のひとつとみなされるが, これらの相互作用が妊娠中毒症の病態形成に大きく関与している可能性がある. そこで, 妊娠中毒症妊婦血清の血管内皮細胞上のICAM-1発現に及ぼす影響を検討した. 対象および方法:1)妊娠中毒症重症18例を対象とした. 対照群として合併症のない妊婦(n=9)を無作為に抽出した. 2)正常児の臍帯より血管内皮細胞をJaffeの方法に準じて分離し, 2~3代継代培養した. この培養系に非働化した患者血清を最終濃度20%となるよう添加し, 16時間培養後, FITC標識抗ICAM-1抗体をえ, flow cytometryにより観察した.
ISSN:1345-4676