27)超急性期に解離腔の証明が困難であった完全血栓閉鎖型大動脈解離

症例:58歳, 男性. 主訴:激烈な胸背部痛. 現病歴:本年4月4日, 午前10時30分ころ荷物を持った後, 突然胸背部痛が出現. 救急車にて近医に入院し, 血液, 心電図, CT検査を行うも原因不明. ニトログリセリンや塩酸モルフィンを用いても激痛は軽減せず, 同日15時20分当院CCUに転送される. 入院時現症:強い胸背部痛を訴えるも意識は清明, 顔面蒼白, 冷汗あり. 血圧120/90mmHg(左右差, 上下肢差なし), 脈拍数64/分(整), 呼吸20/分(やや浅い). 胸部;心雑音なし, 肺ラ音なし. 腹部:肝, 脾, 腎触知せず. 血管雑音なし. 検査成績:白血球13, 600,...

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Published in:Journal of Nippon Medical School Vol. 62; no. 5; p. 555
Main Authors: 斉藤均, 斉藤好信, 笹神康平, 山本剛, 田中隆, 田中啓治, 杉本忠彦, 浅野哲雄, 岡田進, 太田由芽子
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本医科大学医学会 1995
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Description
Summary:症例:58歳, 男性. 主訴:激烈な胸背部痛. 現病歴:本年4月4日, 午前10時30分ころ荷物を持った後, 突然胸背部痛が出現. 救急車にて近医に入院し, 血液, 心電図, CT検査を行うも原因不明. ニトログリセリンや塩酸モルフィンを用いても激痛は軽減せず, 同日15時20分当院CCUに転送される. 入院時現症:強い胸背部痛を訴えるも意識は清明, 顔面蒼白, 冷汗あり. 血圧120/90mmHg(左右差, 上下肢差なし), 脈拍数64/分(整), 呼吸20/分(やや浅い). 胸部;心雑音なし, 肺ラ音なし. 腹部:肝, 脾, 腎触知せず. 血管雑音なし. 検査成績:白血球13, 600, 赤血球449万, Hb15. 0g/dl, Ht41. 8%, 血小板23. 9万, GOT16, GPT14, LDH229, CPK59(MB10)IU/L, BUN15, Cr0. 75mg/dl, Na137, K3. 2, Cl102mEq/L. 心電図:V4-6でT波平坦化. 胸部レ線:心および大動脈の拡大なし. 胸部CT;大動脈の拡大や偽腔なし. 上行から下行まで動脈壁がやや厚く数カ所に石灰化(一部ULPの疑い). 経食道心臓断層エコー法:胸部下行大動脈壁の一部に血栓化像.
ISSN:1345-4676