9.急速に局所再発を呈した悪性葉状腫瘍の1例
症例は51歳女性, 主訴は右乳房腫瘤. 既往歴としては, 19歳時に交通事故による頸椎損傷により現在まで下半身麻痺状態である. 現病歴としては, 3年前から右乳房に約2cmのしこりを自覚するも放置していたが, 1か月間で急速に増大したために平成15年6月9日当科外来受診. 初診時局所所見としては, 表面に発赤を伴った右乳房全体を占拠する腫瘍径約12×8cmの腫瘤を認めたが, 可動性は比較的良好であった. 7月7日に右葉状腫瘍の診断で, 腫瘤を摘出するために右胸筋温存乳房切除術を施行した. 病理組織所見は腫瘍径10×10×5cmのMalignant phyllodes tumor, fs, ic...
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Published in: | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 54; no. 2; p. 177 |
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Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
北関東医学会
01-05-2004
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Summary: | 症例は51歳女性, 主訴は右乳房腫瘤. 既往歴としては, 19歳時に交通事故による頸椎損傷により現在まで下半身麻痺状態である. 現病歴としては, 3年前から右乳房に約2cmのしこりを自覚するも放置していたが, 1か月間で急速に増大したために平成15年6月9日当科外来受診. 初診時局所所見としては, 表面に発赤を伴った右乳房全体を占拠する腫瘍径約12×8cmの腫瘤を認めたが, 可動性は比較的良好であった. 7月7日に右葉状腫瘍の診断で, 腫瘤を摘出するために右胸筋温存乳房切除術を施行した. 病理組織所見は腫瘍径10×10×5cmのMalignant phyllodes tumor, fs, ic(-), ly(+), v(+), margin(-)であった. またER/PGRは共に陰性であった. 術後経過は順調で7月12日退院となったが, 退院後1回目の再診日である8月11日に手術創のほぼ正中に腫瘍径約4cmの腫瘤を認めたため, 悪性葉状腫瘍の局所再発の診断にて9月8日再度腫瘤摘出術を施行した. 病理組織所見は前回と同様にMalignant phyllodes tumorであり, 術後経過は順調であったため9月13日退院となった. やはり退院後1回目の再診日である9月22日に手術創のやや外側に腫瘍径約4cmの腫瘤を認めた. 局所再々発の診断にて10月9月腫瘤摘出術を施行後, 放射線照射及び全身化学療法を行った. 今回我々は, 急速に局所再発を呈した悪性葉状腫瘍の1例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する. |
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ISSN: | 1343-2826 |