大量化学療法と自家骨髓移植が奏効したHCG産生頭蓋内原発胚細胞腫の1例

症例は20歳女性.トルコ鞍上部原発のgerminoma(胚細胞腫)に対し放射線治療を施行し完全寛解となったが,半年後に血清HCG高値を伴い両側肺と前頭葉への転移で再発した.転移部の組織はchoriocarcinoma(絨毛癌)であった.常用量の化学療法では部分寛解しか得られなかったため,自家骨髄移植併用大量化学療法を施行した.その後残存腫瘍を摘出したところほとんどが壊死組織であった.術後1年6カ月を経た現在もdiseasefreeである.自家骨髄移植併用大量化学療法は頭蓋内原発胚細胞腫の治療抵抗例に考慮されるべき治療法の一つと考えられた....

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Published in:日本内科学会雑誌 Vol. 84; no. 1; pp. 132 - 134
Main Authors: 木村, 裕美, 宮下, 義博, 井上, 和司, 小川, 啓恭, 笠山, 宗正, 古賀, 正史, 佐藤, 文三, 岸本, 忠三, 中原, 数也, 有田, 憲生
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 一般社団法人 日本内科学会 10-01-1995
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Summary:症例は20歳女性.トルコ鞍上部原発のgerminoma(胚細胞腫)に対し放射線治療を施行し完全寛解となったが,半年後に血清HCG高値を伴い両側肺と前頭葉への転移で再発した.転移部の組織はchoriocarcinoma(絨毛癌)であった.常用量の化学療法では部分寛解しか得られなかったため,自家骨髄移植併用大量化学療法を施行した.その後残存腫瘍を摘出したところほとんどが壊死組織であった.術後1年6カ月を経た現在もdiseasefreeである.自家骨髄移植併用大量化学療法は頭蓋内原発胚細胞腫の治療抵抗例に考慮されるべき治療法の一つと考えられた.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.84.132