Propionibacterium freudenreichii ET-3株発酵物の摂取が健常女性の糞便内菌叢ならびに排便回数に及ぼす影響

ビフィズス菌の増殖促進物質(BGS)を産生するプロピオン酸菌の発酵物を健常な女性に投与した際の, 排便量および排便回数に及ぼす影響をダブルブラインド, クロスオーバー試験により検討した. また, ボランティア41名中無作為に選んだ7名の被験者において, 糞便フローラに及ぼす影響につき調べた, プラセボタブレット投与期間とBGSタブレット投与期間の糞便フローラ構成を比較したところ, BGSタブレット投与期間のビフィズス菌の占有率がプラセボタブレット投与期間に比べて有意(p<0.05)に増加した. 糞便pHおよび水分量については, 各投与区において有意な差は認められなかったが, 腐敗物質中インドー...

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Published in:腸内細菌学雑誌 Vol. 16; no. 2; p. 150
Main Authors: 北條 研一, 依田 伸生, 土田 博, 大津 俊広, 堰 圭介, 竹友 直生, 村山 力, 飯野 久和
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本ビフィズス菌センター 2002
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Description
Summary:ビフィズス菌の増殖促進物質(BGS)を産生するプロピオン酸菌の発酵物を健常な女性に投与した際の, 排便量および排便回数に及ぼす影響をダブルブラインド, クロスオーバー試験により検討した. また, ボランティア41名中無作為に選んだ7名の被験者において, 糞便フローラに及ぼす影響につき調べた, プラセボタブレット投与期間とBGSタブレット投与期間の糞便フローラ構成を比較したところ, BGSタブレット投与期間のビフィズス菌の占有率がプラセボタブレット投与期間に比べて有意(p<0.05)に増加した. 糞便pHおよび水分量については, 各投与区において有意な差は認められなかったが, 腐敗物質中インドールおよびスカトール量はBGSダブレット投与によりプラセボタブレット投与に比較して有意(p<0.05)に減少した. 全被験者を対象に行ったアンケート試験では, BGSタブレット投与により排便量がプラセボタブレット投与に比べて増加傾向であった. また, 普段の排便回数が少ない被験者(4回以下/週)では, BGSタブレット投与時の排便回数がプラセボタブレット投与に比較して有意(p<0.05)に増加した. 本結果から, プロピオン酸菌発酵物の投与は腸内フローラを改善し, 便秘がちな女性の通便改善に有効であることが分かった.
ISSN:1343-0882