Cefpirome sulfateのウサギにおける腎毒性試験 : 単回および反復静脈内投与試験
CPRの静脈内投与による腎毒性を, 日本白色種ウサギを用いて, 単回ならびに14日間および21日間反復投与試験によって検討するとともに, 他のセフェム系抗生物質CERおよびCEZとの比較検討も実施した. 単回投与試験の結果, CPRの320 mg/kg以下の投与では腎障害を認めなかったが, 500mg/kg以上の投与によって, 尿中の蛋白質, ブドウ糖の出現, 血中の尿素窒素, クレアチニン, 尿酸量の増加, PSP排泄能の低下, 組織学的に尿細管上皮の壊死, 石灰沈着などが観察された. CEZ投与においては, 尿中, 血中の腎障害パラメータの変動, 組織学的変化はCPR投与と同程度であったが...
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Published in: | The Journal of Toxicological Sciences Vol. 15; no. SupplementIII; pp. 173 - 200 |
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Main Authors: | , , , , , , , , , , |
Format: | Journal Article |
Language: | English Japanese |
Published: |
一般社団法人 日本毒性学会
1990
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Summary: | CPRの静脈内投与による腎毒性を, 日本白色種ウサギを用いて, 単回ならびに14日間および21日間反復投与試験によって検討するとともに, 他のセフェム系抗生物質CERおよびCEZとの比較検討も実施した. 単回投与試験の結果, CPRの320 mg/kg以下の投与では腎障害を認めなかったが, 500mg/kg以上の投与によって, 尿中の蛋白質, ブドウ糖の出現, 血中の尿素窒素, クレアチニン, 尿酸量の増加, PSP排泄能の低下, 組織学的に尿細管上皮の壊死, 石灰沈着などが観察された. CEZ投与においては, 尿中, 血中の腎障害パラメータの変動, 組織学的変化はCPR投与と同程度であったが, PSP排泄能に変化はみられなかった. 反復投与試験においては, CPRの100 mg/kg以下の投与では腎障害はみられなかった. 200 mg/kg以上の投与では腎障害パラメータの変動がみられ, 400 mg/kgの投与では単回投与と同様な器質的変化も観察された. CERは100 mg/kgの投与でも器質的変化を伴う腎障害が観察された. また, CEZでは100 mg/kg以下の投与で腎障害はみられなかったが, 200mg/kgの投与で, 腎臓の器質的変化に加えてPSP排泄能の低下もみられた. 以上の結果から, 本実験条件下において, CPRはCERに比較して, その腎毒性の程度は弱かった. また, CPRとCEZを比較した場合, 大量の単回投与ではCPR, 反復投与ではCEZによる腎障害がわずかに強いという結果が得られ, ウサギに対する腎毒性に関しては, CPRとCEZはほぼ同程度であると考えられた. |
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ISSN: | 0388-1350 1880-3989 |
DOI: | 10.2131/jts.15.SupplementIII_173 |