脳腫瘍例の放射線壊死に関する考察

脳腫瘍に対する放射線治療後に, CT所見から腫瘍の再発なのか, 新たな腫瘍の出現であるのか, 放射線治療に伴う放射線凝固壊死像(RN)であるのかの鑑別は常に問題となる. 我々は, 放射線治療中あるいはのちの追跡CT所見で腫瘍部付近にring状に増強効果の出現する部分を再発腫瘍として診断し, 再手術を行った脳腫瘍5例を経験した. しかし組織学的には, 全例放射線治療効果としての凝固壊死像であった. そこで, これら自験例を基に腫瘍部放射線壊死(tumoral RN)についてCT所見, 組織学的所見, 照射部線量を検討し, 併せて腫瘍遠隔部放射線壊死(remote tumoral RN)についても...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in:Neurologia medico-chirurgica Vol. 24; no. 3; pp. 157 - 168
Main Authors: 吉井与志彦, 牧豊, 土佐純一, 坪井康次, 松村明, 伴野悠士, 中田義隆
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 日本脳神経外科学会 1984
Online Access:Get full text
Tags: Add Tag
No Tags, Be the first to tag this record!
Description
Summary:脳腫瘍に対する放射線治療後に, CT所見から腫瘍の再発なのか, 新たな腫瘍の出現であるのか, 放射線治療に伴う放射線凝固壊死像(RN)であるのかの鑑別は常に問題となる. 我々は, 放射線治療中あるいはのちの追跡CT所見で腫瘍部付近にring状に増強効果の出現する部分を再発腫瘍として診断し, 再手術を行った脳腫瘍5例を経験した. しかし組織学的には, 全例放射線治療効果としての凝固壊死像であった. そこで, これら自験例を基に腫瘍部放射線壊死(tumoral RN)についてCT所見, 組織学的所見, 照射部線量を検討し, 併せて腫瘍遠隔部放射線壊死(remote tumoral RN)についても文献的考察を行い, 若干の知見を得たので報告する.
ISSN:0470-8105