18.乳腺外来における看護の専門性を考える -医師・患者にとって看護師がはたす役割
群馬大学第二外科乳腺外来に通院している患者は, 延べにして月1, 200名を超えている. 担当医は9名おり, 週に2回の診療を行っている. 看護師は3名おり, 曜日によって他の専門外来も担当するなどすべての外来看護にあたり, また, 外来での化学療法も週20名程度ありそれにも係わっている. そのため看護師の業務はどうしても多岐に渡り煩雑となり, 各疾患への専門的関わりがなかなかできない状況である. 今回, MDアンダーソン教育シンポジウム「チームで学ぶ乳癌の標準治療」へ医師と共に参加する機会があり, 乳腺外来における看護の専門性を考える動機となった. 今回群馬大学においてどのようにそれを進めて...
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Published in: | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 53; no. 2; pp. 213 - 214 |
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Main Authors: | , , , , , , , , , , , , , , |
Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
北関東医学会
01-05-2003
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Summary: | 群馬大学第二外科乳腺外来に通院している患者は, 延べにして月1, 200名を超えている. 担当医は9名おり, 週に2回の診療を行っている. 看護師は3名おり, 曜日によって他の専門外来も担当するなどすべての外来看護にあたり, また, 外来での化学療法も週20名程度ありそれにも係わっている. そのため看護師の業務はどうしても多岐に渡り煩雑となり, 各疾患への専門的関わりがなかなかできない状況である. 今回, MDアンダーソン教育シンポジウム「チームで学ぶ乳癌の標準治療」へ医師と共に参加する機会があり, 乳腺外来における看護の専門性を考える動機となった. 今回群馬大学においてどのようにそれを進めていくべきか, その手がかりとして, 医療者と患者の意見を聴取することとした. 乳腺外来で診療に携わる医師と実際に通院している患者が, 看護師がどのように外来において係わることが望ましいかについて, 概念的なもの具体的な方法など特に制限をもたせず, 自由に意見を記載してもらった. 医師側の要望として, 1)看護師が疾患治療に関する知識をレベルアップすること, 2)患者や家族の精神的サポートを行うこと, 3)患者の日常生活のサポート(手術前後のbody imageの変化にも対応すること), 4)時間をかけたinformed concentを実施すること, 5)看護師が従属的にならず, 医師と共に治療方法などについて話し合うことができるようにすべき, などであった. また, 患者側からは, 1)医師の説明がよくつかめないことがあるため, その補足やアドバイスの提供, 2)患者の機微を汲み取ることを要望するもの, 3)医師だけでは及ぼない心のケアの要望などがあった. これらの意見を元に, 外来での乳癌患者へのケアを行う上での問題点を上げ, 看護師が認識している現状とこれからの課題を考察する. |
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ISSN: | 1343-2826 |