10.人工造膣術後に子宮筋腫を合併したRokitan-sky症侯群の1例
Rokitansky-Kuester-Hausersyndoromeは, ミュラー管の発生異常で, 表現型は女性であるのに, 膣の欠損を認め, 子宮は痕跡的に存在するにすぎない. 最近, 人工造膣術の既往のある本症患者に子宮筋腫の合併を経験した. 子宮筋腫を合併した本症の報告例は, online検索上, 英文が4例, 和文が5例と非常に稀といえる. そこで, 若干の考察を加えて発表したい. 症例は41歳の女性で, 下腹部腫瘤感を主訴に当院産婦人科を受診した. 19歳で, Rokitansky-Kuester-Hausersyn-doromeと診断され, S状結腸を利用しての人工造膣術が施行され...
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Published in: | Journal of Nippon Medical School Vol. 67; no. 4; pp. 292 - 293 |
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Format: | Journal Article |
Language: | Japanese |
Published: |
日本医科大学医学会
2000
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Summary: | Rokitansky-Kuester-Hausersyndoromeは, ミュラー管の発生異常で, 表現型は女性であるのに, 膣の欠損を認め, 子宮は痕跡的に存在するにすぎない. 最近, 人工造膣術の既往のある本症患者に子宮筋腫の合併を経験した. 子宮筋腫を合併した本症の報告例は, online検索上, 英文が4例, 和文が5例と非常に稀といえる. そこで, 若干の考察を加えて発表したい. 症例は41歳の女性で, 下腹部腫瘤感を主訴に当院産婦人科を受診した. 19歳で, Rokitansky-Kuester-Hausersyn-doromeと診断され, S状結腸を利用しての人工造膣術が施行されている(日本医科大学付属病院産婦人科). 初診時, 膣は10cmで盲端に終わり, 骨盤内に小児頭大の腫瘤を触知した. 超音波画像やMRIから腫瘍は10cm×10cm×16cm大で, 性状は平滑筋腫様であった. 開腹術により1,037gの腫瘍を摘出した. 病理組織学的検査によっても, 子宮内腔を確認することができなかったが, 腫瘍を被う漿膜から卵管の発生を確認したため, 痕跡的子宮に続発した平滑筋腫と診断した. 術後経過は良好で, 現在外来で経過観察中である. |
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ISSN: | 1345-4676 |