小児の口腔内におけるCandidaの保有率と口腔環境との関連

Candidaの口腔内からの検出率については, 成人を対象とした多数の報告があるが, これまでに, 小児を対象としたCandidaの検出率についての報告は少ない.特に小児においてはCandida albicansがCandida症の原因菌と考えられており, 健常児においても, 全身的な抵抗力の低下により発症することがある.そこで今回我々は, 3歳から15歳までの小児 (男子55名, 女子45名) の口腔内からCandidaの検出を試み, 以下の結果を得た.1.Candidaは, 舌背から最も多く検出された.2.ストマスタット®により, Candidaのみの存在を推測することは困難であった.3....

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Published in:昭和歯学会雑誌 Vol. 22; no. 3; pp. 187 - 193
Main Authors: 伊沢, 民江, 網野, 重人, 伊田, 博, 浅里, 仁, 佐々, 龍二
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 昭和大学・昭和歯学会 2002
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Description
Summary:Candidaの口腔内からの検出率については, 成人を対象とした多数の報告があるが, これまでに, 小児を対象としたCandidaの検出率についての報告は少ない.特に小児においてはCandida albicansがCandida症の原因菌と考えられており, 健常児においても, 全身的な抵抗力の低下により発症することがある.そこで今回我々は, 3歳から15歳までの小児 (男子55名, 女子45名) の口腔内からCandidaの検出を試み, 以下の結果を得た.1.Candidaは, 舌背から最も多く検出された.2.ストマスタット®により, Candidaのみの存在を推測することは困難であった.3.Candidaの発現には, 歯の交換現象, 咬合の不安定, 口腔清掃の不適切さなどによる口腔環境の変化が深く関連していた.4.Candidaの増加は, 歯肉炎にも何らかの関連があることが示唆された.5.口腔内に保隙装置を入れていても, 装置の清掃や, 口腔内環境を良好に保つことによって, Candidaの増加は抑えられると考えられた.
ISSN:0285-922X
2186-5396
DOI:10.11516/dentalmedres1981.22.187