3. 集学的治療により無病5年生存しえた高度進行乳癌の1例

症例は56歳の女性. 黄疸, 呼吸困難を主訴に来院. 諸検査の結果, 肝転移に伴う閉塞性黄疸, 癌性胸膜炎及び多発骨転移を合併した高度進行乳癌との診断を得た. 本症例に対し以下の局所療法を組み合わせた集学的療法を施行した. 閉塞性黄疸には肝門部腫瘤への外照射後, 胆管狭窄部にstentを留置し内瘻化を行った. 癌性胸膜炎にはドレナージ後胸膜癒着術を施行した. 肝転移巣には肝動注リザーバーシステム設置後, 動注化学療法を施行した. 乳癌原発巣には術前照射後, 定型的乳房切断術を行い, 胸骨浸潤部への術中照射を併用した. 多発性骨転移の制御を主目的にmedoroxyprogesteroneの内服投...

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Published in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 47; no. 6; p. 469
Main Authors: 原島浩一, 今井礼子, 中島信明, 川島和記, 後藤修司, 佐藤信之, 中上和彦, 遠山和成, 伊東和樹, 小島紘一
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 北関東医学会 1997
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Description
Summary:症例は56歳の女性. 黄疸, 呼吸困難を主訴に来院. 諸検査の結果, 肝転移に伴う閉塞性黄疸, 癌性胸膜炎及び多発骨転移を合併した高度進行乳癌との診断を得た. 本症例に対し以下の局所療法を組み合わせた集学的療法を施行した. 閉塞性黄疸には肝門部腫瘤への外照射後, 胆管狭窄部にstentを留置し内瘻化を行った. 癌性胸膜炎にはドレナージ後胸膜癒着術を施行した. 肝転移巣には肝動注リザーバーシステム設置後, 動注化学療法を施行した. 乳癌原発巣には術前照射後, 定型的乳房切断術を行い, 胸骨浸潤部への術中照射を併用した. 多発性骨転移の制御を主目的にmedoroxyprogesteroneの内服投与を行った. 以上の治療がそれぞれ著効を示し, 初診から5年後の現在も外来通院中である.
ISSN:1343-2826